第215話 姉、持論をぶつける ページ15
「とりあえず、もしエースを助けて戦争を穏便に終わらせたいなら、まず海軍の目を欺くことだな」
「まあね。まずはその方法を考えなきゃ」
2人してじっと考え込むが、どうにも方法が浮かばない。そもそも人の目が多すぎるし、もし原作通り赤犬に当てたら間違いなく死ぬ。じゃああの大勢の目の前で、どうやって死んだように見せかければいいのか。
「おい。もういっそ赤とか黒ひげとかぶっ殺した方が早いんじゃ」
「待って待って！それはダメだって！」
梨香の過激発言に慌てて待ったをかけた。
「なんでだよ？」
「いい？まず私は、できるだけ原作通りに進めたいと思ってるわけ。もし戦争で赤犬殺したら流れめちゃくちゃになるし、そもそも黒ひげは今の私達の手に負えない！」
「……黒ひげに関しちゃ折れてやる。でも赤はエースを殺した最悪なやつだぞ！再起不能にしてもいいだろ！」
「そこだよ梨香。赤犬を悪役って決めつけるんじゃない」
「あァ！？」
なるほど。私と梨香の決定的な違いはここにあるんだ。
私は言い聞かせるように説明する。
「私が思うに、ONE PIECEに完全な悪役はそういないと思う。頂上戦争だってそう。漫画じゃ海賊を応援したくなるけど、世間一般から見れば海賊が悪。確かに、海賊王の息子だからって理由での処刑はひどいと思う。でもなんていうか──当たり前だけど、海軍は気まぐれとか遊びなんかじゃなくて、真剣に、世界の平和を守るって明確な意志と目標のもとエースを処刑しようとしてた。つまりは、家族を守りたいのと脅威を排除したいのとの、意見の対立だったと思うんだ。ただ、その方法が実力行使だったってだけで。エースを殺したからって、彼を悪として滅ぼすのは間違ってる。もちろんほかの人の場合も然り」
「…………」
「それに、赤犬は最高戦力の1人だよ？赤髪海賊団とかの良識あるとこならともかく、大将が倒れたとなって海賊が大人しくしてると思う？」
「……いや。散々怯えてた脅威が1つ消えたんだ。ハメ外して暴れんだろうな」
「でしょ？私達がその責任もてる？」
「……ちっ」
不服そうに舌打ちをする梨香だけど、その目からは不満と怒りの色は消えていた。納得してもらえたようでなにより。
でも、彼女の意見も一理ある。おそらく、誰も傷つけないで頂上戦争を乗り切るなんて不可能だ。黒ひげとの接触は最低限避けるとして、最悪大物──少なくとも、中将レベルとの戦闘は覚悟しなくてはならないだろう。
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ルイカ(プロフ) - ナバポさん» ありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2017年3月14日 17時) (
レス) id: 4660d06a48 (このIDを非表示/違反報告)
ナバポ(プロフ) - 見に来ました。細かいところまで気が配られた良い作品だと思います。これからも頑張ってください。 (2017年3月14日 17時) (レス) id: 03f7a55e36 (このIDを非表示/違反報告)
ルイカ(プロフ) - 恋契さん» ありがとうございます！これからも読みやすさを意識して頑張っていきます！ (2017年3月6日 7時) (レス) id: 4660d06a48 (このIDを非表示/違反報告)
恋契(プロフ) - 読みやすかったです！更新頑張ってください！ (2017年3月5日 22時) (レス) id: 68281283e5 (このIDを非表示/違反報告)
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