第212話 懸賞金決定 NOside ページ12
そして、3つ目にして最大の理由──覇気の件を除いても、2人が強すぎるということ。
エニエス・ロビーの被害報告書を思い出して、司会役の海兵は身震いした。バスターコールによる被害以外に、大きく目を引く事項があった。それは──バスターコールに参加した海兵達の精神異常、である。
辛うじて正気を保っていた海兵達からの調書には、「2人が歌を歌い出した途端みんなが狂い始めた」「紅い月が出た」などという、夢物語のような証言がどっさり書かれていた。司会本人も、読んだ当初はそれを鼻で笑った。しかし、本人達の見舞いに行って、それが大げさでもなんでもないことを思い知る。
ある者は鏡に向かってひたすら話しかけ、ある者は自傷行為を繰り返す。奇声を発する者もいれば、自身の体を喰う者、涎を垂らしてニタニタと笑っている者もいた。今ではだいぶマシになったらしいが、それでもあの地獄へは2度と行きたいとは思わない。
それ以外にも、トウは海兵を次々と斬って、砲弾までもを真っ二つにし。シュンはまるで魔法使いのように様々な現象を起こして海軍を翻弄、挙句の果てには脱出前、大将青キジの技を真似してみせた。その規模を見ても本人と同じ。里奈が軽い気持ちで行った実験が、海軍にとっては大問題だったわけである。
「では、先に弟のトウから決めましょうか。彼もまた、世界政府からの要望で生け捕りのみです」
仕方ないとばかりにトウの話題を出すが、当然場は静まり返ったまま。できるだけ高い懸賞金を、しかし船長より高くして注目されるのはまずいと決めあぐねているのだ。だが、その静寂を勇気ある海兵が破った。
「では、──ベリー程でどうでしょうか？兄も同じ金額で」
「ふむ。異論がある方は？」
「はい。兄弟ですので、一緒に捕まえたら合計に更に上乗せするのは？」
「でしたら、上乗せ金額は──程度で……」
半ばギクシャクしながら会議は進み、最終的に賞金はなんとか決まった。
「では、2人の賞金に関しては以上です。異論はありますか？」
無言を了承と受け取り、司会は改めて、2人の懸賞金を告げた。
第213話 姉妹、驚愕→←第211話 謎の兄弟 NOside
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
「ONEPIECE」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルイカ(プロフ) - ナバポさん» ありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2017年3月14日 17時) (
レス) id: 4660d06a48 (このIDを非表示/違反報告)
ナバポ(プロフ) - 見に来ました。細かいところまで気が配られた良い作品だと思います。これからも頑張ってください。 (2017年3月14日 17時) (レス) id: 03f7a55e36 (このIDを非表示/違反報告)
ルイカ(プロフ) - 恋契さん» ありがとうございます！これからも読みやすさを意識して頑張っていきます！ (2017年3月6日 7時) (レス) id: 4660d06a48 (このIDを非表示/違反報告)
恋契(プロフ) - 読みやすかったです！更新頑張ってください！ (2017年3月5日 22時) (レス) id: 68281283e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
