第6話 姉妹、遭難する ページ8
「あー……腹減った……」
ゾロがそう呟くが、それに返答する者はいない。みんなそれなりに疲労が溜まっているのだ。
「だいたい、お前が航海術持ってねェってのはおかしいんじゃねェか？」
「おかしくねェよ──」
原作のやり取りを聞き流しながら、私は食料や水の量を確認した。
「…………」
即座に確認しなきゃよかったと後悔した。4人が船旅するには足りなすぎる。
私達はシェルズタウンを後にし、バギーが支配するオレンジの町へ向かってた。出航してから今日で3日目。うん、現在俗に言う遭難中ってやつです。
食料達のほとんどはルフィによって消費されていた。私達？1日1食ってところかな？ そのせいか、梨香は1日の大半を寝て過ごしている。ゾロにもっと食っとけって言われたけど、食料を長持ちさせるためにも丁重に断った。
本当なら魚でも釣りたいところだけど、あいにく釣竿はなし。素潜りで狩るにしても捕れるとは思えないし、男2人の前で服を脱ぐのも気が引ける。結局私がしているのは、天気の確認だけだ。梨香にいたっては何もしていない。
「なあ、リナとリカはどうなんだ？航海術とか分かるか？」
「いいえ、全く……。すみません、お役に立ててなくて。これじゃあただの穀潰しですよね」
「？なに言ってんだ？」
「え？」
申し訳なさいっぱいでルフィに謝罪すると、キョトンとした顔のまま返された。
「一昨日の夜嵐が来てるって教えてくれたの、リナだろ？リナが教えてくれたから逃げれたんだ。リナは役に立ってる！」
「……あ、あの時ですか」
そうだ。確か出航したその日の夜、嵐に巻き込まれそうになった。慌てて眠る3人を叩き起して船の向きを変え、難を逃れたのだ。
「でも、その時だけですよ？」
「それだけじゃないだろ？毎晩ずっと起きて夜通しで天気見てくれてる！」
「！？」
ルフィの発言に驚いた。確かに徹夜して天候を見ていたのは事実だ。でも、ルフィ達は寝ていたはず……？
「そう、ですけど」
「昼間から眠そうな顔してんだ、いやでも想像がつく」
ゾロの言葉にハッとして水面を見ると、そこには眠たげな顔をした私の顔が映っていた。
「だからさ、リナは役に立ってる！そんなこと言うな！」
ニシシと笑いながら話すルフィを見ていると、自分の口角が少し上がるのが分かった。
「ふふ……ありがとうございます」
「どういたしまして！」
ルフィに礼を言って、また海の監視に戻ろうとしたとき──
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルイカ(プロフ) - 鴉麗さん» 閲覧ありがとうございます！続編も余裕があれば読んでいただけたら嬉しいです(っ*’ω`с) (2017年4月8日 19時) (
レス) id: 4660d06a48 (このIDを非表示/違反報告)
鴉麗(プロフ) - 間違えました……。 (2017年4月8日 19時) (レス) id: fe16c709f3 (このIDを非表示/違反報告)
鴉麗(プロフ) - 姉妹トリップ久しぶりに見ましたが、はまりそうです。やっぱりこんな面白い作品に出会えるいるうらつくは最高です！ (2017年4月8日 19時) (レス) id: fe16c709f3 (このIDを非表示/違反報告)
ナバポ(プロフ) - ルイカさん» もちろんです！ (2017年1月1日 13時) (レス) id: 03f7a55e36 (このIDを非表示/違反報告)
ルイカ(プロフ) - ナバポさん» 読んでいただきありがとうございます。もしよろしければ、続編も読んでいただけたら幸いです。 (2017年1月1日 10時) (レス) id: 4660d06a48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
