幼馴染5 ページ6
それからしばらく治と話し込んでいると突然後ろにグイっと引っ張られた。
「わっ?!」
「A!…………うっわ……最悪」
前に廻された手は朝に見たのと同じ手。
鼻をくすぐる香水の匂い。
「手前……なに人の女に手出してんだ糞太宰」
「……中也」
鬼のような顔をした中也だった。
まって一つ言いたい。
「わたし中也の物じゃないけど……?」
「う、うるせぇ!!」
「中也……告白もしてないのに自分の女発言って気持ち悪い」
「嗚呼!!うるせぇ!!!」
きっと中也は顔をリンゴのように真っ赤に染めてるだろう。これを自滅というんだよ。
「もーー中也ぁ!安心して?治と話してただけだから」
腑に落ちないといった顔をされ、渋々ながらに開放される。
「さっA、邪魔な中也を置いて夕食にでも行こうじゃないか。」
「えっ、だから夜は仕事が……ちょっ治!」
腕を引っ張られる。なす術もなく治に連れていかれそうになる、が、勿論この男はそれを許さない。
「おいAは俺との用事があんだよ。手前は引っ込んどけ青鯖」
「へぇ……じゃあAが必要なんだね。なら返してあげるよ」
なんだ帰れるんだとホッとしたのも束の間
「……私から奪えたらの話だけど、ね?」
「はっ?」
「えっ、ちょっっとおおおお!??」
そういうと治は私の膝の裏と肩に手を廻し抱きかかえて走り出した。
あまりの速さに抵抗すらできなかった。
「あの……クソ野郎ぉ!!!!」
それに続き中也も走り出す。
あぁ、もし神がいるのならばこの状況を早く終わらせて欲しい
そう願いながら私を抱える幼馴染に身を委ねた。
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麗亜@眠い。(プロフ) - 失礼します。只今中原中也誕生祭実施中です。よかったらご参加お願いします (2017年4月29日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るいあ | 作成日時:2017年2月14日 21時