幼馴染22 ページ23
それから数日
「首領、Qちゃん見てませんか?」
「見てないねぇ……ところでA君、エリスちゃんのドレスなにがいいかなぁ」
首領は両手にドレスを抱えてくるくると回る。
「エリス嬢ならなんでも合うと思いますよ。あっ、でもたまにはこの紅色のドレスも見てみたいです。」
「嗚呼!其れはいい!!これも可愛いんだよ〜」
「では、失礼します」
またねと首領は学校に行く娘を見送るお父さんのような笑みで手を振る。
それに会釈で返し部屋を出た。
そのあと部下による報告でQちゃん組合に捕獲されたことを耳に入れる。
しばらくして、Qちゃんの呪いが発動した。どうやら組合が仕掛けてきたようだ。
「糞ッ!!」
奥歯を噛み締め何時もより顔を強ばらせる中也。
その顔に焦りと怒りが混じる。
横浜はQちゃんの呪いにより悪夢のような光景が広がる。破壊される建物、悲鳴が響く街、理性を失った人達。
数時間前の横浜とは比べ物にならない。
きっと、あの子は苦しんでる
何処かで独り、助けを求めてる
私にはこの子の苦しみを理解できない。
それは皆同じ
同情することは出来てもどんな事をされたのかとか、どんな暗い世界なのかとか分からない。
自分で自分が分からないように
人は人の気持ちが分かりにくい
それでも、意思疎通をして理解しようと努力する
私もそれをあの子にしてあげることが出来るだろうか
横浜の騒ぎが収まったのはそれから少ししてからだった。
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麗亜@眠い。(プロフ) - 失礼します。只今中原中也誕生祭実施中です。よかったらご参加お願いします (2017年4月29日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るいあ | 作成日時:2017年2月14日 21時