【双黒】私の幼馴染【文スト】 (ページ20)

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幼馴染19 ページ20

連れてこられた部屋に4人、大人と私と同じくらいの子供がいた。

髪が長い男の人が首領
着物を着た美しい女性が姐さん

そして

「こっちは太宰君。」
「こっちが中也じゃ」

二人に会った。

首領は家族が私を置いて逃亡したことを知らさた。大好きな家族が私を置いていった。衝撃的すぎてその場に座り込んでしまった。

そしてお金の返済のためポートマフィアで働くことを約束した。

年齢的にまだ働くことは出来ない。任務ができるようになるまで姐さんの元で裏社会で生きていくことを学べと言われた。

「俺は中原中也だ。よろしくなA」

中也に差し出された手を握ろうとすると横から乱入してきた治に阻止された。

「私は太宰治。蛞蝓の手なんて握ったら腐っちゃうよ」

治が差し出した手を次は中也が叩き落とす。

「A、此奴の手を握ったら青鯖の臭いが伝染んぞ止めとけ」

ギャンギャン子犬のように喧嘩をし始める二人。

可笑しくて笑ってしまった。

「んぇ？？」

白い天井が見えた。見慣れた天井。
視界の橋から中也が出てきた。

「起きたか」

のそのそと体を回転させると布団から中也の匂いがした。それが心地よくて二度寝をしようとするとベッドの端がギシっと音を立てる。

「寝んなよ」

「やーだー」

仕方ねぇなって中也は、私の髪をくしゃくしゃと撫でる。
頬張った手は温かくて、気づけば私はまた夢の中へ落ちていった。

昔と比べて体も心も、思考までも大人になった私たち。あの時とは状況が違ってしまったが、それでも幼馴染として何処かで繋がっている。