【 Ⅱ 】My fear fleur (ページ33)

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【 LXXⅥ 】・ページ33

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｢あの、貴方は…｣

｢ストップ、ずっと聞き流してたんだけど貴方っていうのやめません？なんか自分が呼ばれてる気がしなくて…Aって呼んでくれたら嬉しいです｣

Aの言葉にティアナはぱちくりと大きな目を瞬かせる

｢あ…そうですわね、じゃあAと呼ばせていただきます。｣

その顔からはなんだか嬉しそうな雰囲気が伝わってきていた

｢うん、そっちの方がいい。｣

｢では、私もティアナでいいです。｣

｢え、いや流石に一国のお嬢様を一般人の私が呼び捨てするのは｣

｢レオナ様を呼び捨てしとてよく言いますわ。｣

あ、確かに…とAは黙り込む

｢じゃあ、ティアナで｣

｢なんだかお友達が出来たようで嬉しいですわ。私は昔から外に出して貰えない身でしたので、パーティーで出会う令嬢とお話をしたことしかないんですの｣

｢へぇ、てことは私が最初の友達？｣

｢そういうことに…なりますわね｣

"友達"

その感覚にティアナはくすぐったいような、変な感情を抱きながら微笑んだ

｢そう言えばティアナは何歳なの？｣

｢私？21ですわ｣

｢…21？｣

え、レオナより歳上！？
確かに大人っぽかったけど、てっきり同い年くらいかと思ってた

｢私の国では、王族は18までに番を見つけなければならないのですが…兄弟が番を見つけていく中、私だけは今も相手が見つからず。｣

そんな時、レオナ様とお話をしたことがありまして
とても素敵な殿方だと思いましたの

まぁ、そんな恋ももう叶うことはありませんが

｢他国の王子は国の地位や金を目的に言いよってくる者ばかりで、私を見てくださる方に出会ったことがないんですの｣

｢…お姫様も大変なのね｣

｢もう慣れましたけどね。今も言い寄ってくる殿方が1人いまして…ですが話を聞くにあの方も私が好きなのではなく、国目当てなんだと｣

自分を見てもらえないことに、ティアナは悲しみと悔しさを抱いていた

｢…ティアナ、もし男に泣かされたら私に言ってね。すぐに飛んでいって懲らしめてやるわ｣

こんな素敵な子を国のために誑かして、口説くなんてどんな神経をしているのだろうか

Aは話を聞いているだけで、ふつふつと怒りが湧いていた

｢…っ、優しいのですね。Aは｣

｢友達のためなら当たり前なのよ、これくらいは｣

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First friend_初めての友達