星を超えた想いを20【オリオンの刻印】 (ページ11)

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第39話:自責ページ11

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凄まじい爆音と地響きが、スタジアム全体に

鳴り響き、観客席やスタンドを大きく揺らした。

そして、フィールド全体を爆煙が包み込む。

先程まで、観客の歓声で沸き立っていた
会場が嘘のように静まり返り
時が止まったようにさえ感じた＿＿＿＿。

額から大量の冷や汗が滲み出ても尚

それを拭うことすらせず、角馬王将は

実況席から爆煙に包まれたフィールドを

開いた口を塞げずに見つめていた。

「うっ……………、ぁ……………」

何が起きたのか分からなかった……………。

背中に強い衝撃が伴い続ける中、一星は

フィールドの柔らかい芝生に身を預けたまま

眉間を寄せながら、重たい瞼をゆっくりと開く。

「(誰、だ………)」

誰かが、自分の上に重なるように倒れていた。

霞む視界に、映りこんだその誰かに

何度も目を瞬かせながら焦点を合わせる。

浅い呼吸音、自分のものでは無い

誰かの鼓動がお腹に伝わり、一星は目を

スローモーションがかかったように下に傾けた。

「＿＿＿＿！！」

はっきりと、焦点の合った瞳が、その人物を

捉えた途端、一星は全てを思い出した。

フラッシュバックのように頭の中に次々と

蘇る試合の光景の数々。

そして自分を庇った＿＿＿＿Aの姿。

「A……………っ、A！」
「……………」
「な、んで………な、んで」

＿＿＿守ると、そう誓ったはずなのに

また、"自分だけ"が守られてしまった。

それが悔しくて、辛くて、嫌になって………

一星は、悔しさから唇を固く噛み締めながら

胸の奥底から突き上げてくる感覚に

目頭が、だんだんと熱くなるのを感じた。

「ごめ、ん………A、俺」
「………………………」
「また、……守れ、なかった」

軋む身体に鞭を打ちながら、一星は

自分の胸板にぐったりと頭を預けて

気を失っているAの、傷だらけの頬に

触れようと力の入らない震える腕を伸ばしていく。

「A、A………」

数センチ。あと数センチでその頬に触れられる。

もう少し、もう少しで……………

「うっ、ぁ……………っ」

しかし、それも既のところで叶わず。

一星の腕は、彼の意志に背いて

再びフィールドに落ちてしまう。

「Aちゃん！！」

「大丈夫か !? 一星！」

やがて、フィールド全体を包み込んでいた

爆煙も晴れ、会場にいた全てのものが

見た光景は………重なり合うように倒れ

ボロボロになったAと一星の姿だった。