星を超えた想いを12【オリオンの刻印】 (ページ37)

今日:19 hit、昨日:2 hit、合計:381,014 hit

辛辣ページ37

❀

足を動かして抵抗しても、胸板を押し返そうと

両手で必死に抵抗してみせてもビクともしない。

「先輩って感度いいんですね襲いがいがあります」

「お、襲っ!? 」

そのつもりだったのに、ときょとんとした

表情でやわやわとAの膨らみを触る

一星に差恥が一気に込み上げて頬を紅潮させる。

「一星くん、いい加減にしないと……！」
「あ、鉄拳はなしですよ」

横から振り上げた腕も簡単に一星に片手で受け止められてしまい、押しても引いても離してくれない。

「ダメですよ、女の子が暴力なんて」
「ひっ、ぁん!?」

人差し指をAの口元にあてて子供を叱り付けるようにめっ、とする一星に「鏡使う一星くんに言われたくない」と反発すると掴んでいた膨らみに少しだけ力を入れられ、甲高い声を出してしまった。

「先輩、僕に対して辛辣になりましたよね？

どうしてですか？」

強気な先輩も潰しがいありますけど、と

聞き捨てならない台詞を小耳に挟みながら

Aは肩を上下させながら口を開く。

「じ、自分の胸に聞いたら分かるんじゃないかな」

「じゃあ先輩の胸に聞いてみますね」
「(なんでそうなるの……!?)」

そう言ってジャージのファスナーを下げた

一星に慌ててAが

「ま、待って待ってストップ！」と手を掴んだ

その時_____。

「てめぇはどさくさに紛れて何してんだよ！」

親しみのある声と共にこちらへ猛スピードで

駆け走ってきたその人物は一星に向かって

ストレートパンチを食らわそうとするが

その殺気に気がついた一星は「おっと」と

言いながらAを抱き起こすとそのまま

後ろに隠れるように一星が彼女を盾にした。

「わっ!?」
「なっ……A!?」

急に抱き起こされたAの視界に飛び込んできたのは迫り来る灰崎の拳だった。ぶつかる……！そう思って固く目を瞑るも衝撃はやってこない。

「てめぇ……一星!!」

灰崎の怒りの声に瞼をそっと開けると、灰崎の拳はAの顔五センチほどのところでとまっていた。当たっていたら一溜りもないだろう。

「ねえ……何で私の後ろに隠れてるの」
「ちょうどいい盾があったので」

ぴき、とAの額に青筋が入る。

「どこ見て言ってんの」
「先輩の見た目貧相な壁です」

一星くん今までその貧相な壁触ってたよね？

とは言えず…………Aは灰崎に

腕を引かれて立ち上がらされると、無言で

彼女のはだけた服を整えてジャージの

ファスナーを上に上げた。