星を超えた想いを12【オリオンの刻印】 (ページ24)

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ロシアンルーレットページ24

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「皆さん、三回戦進出おめでとうございます！」

ご賞味くだされ、とAが運んできた

皿に綺麗に並べられたクッキーに一同は

待ってましたと言わんばかりの声を上げる。

「ちょうど小腹が空いてたとこ！」

剛陣が真っ先にクッキーを摘んで口に放り込む。

「ただ……」

Aが言いかけたその刹那「辛れぇ！」という剛陣の声がロビーに響き渡った。

「塩と砂糖とコショウをまちがえたものも

入ってるので気をつけてください。」

「早く言えよ!!」

あれ失敗例です、と言いながら剛陣を指差すAに「誰が失敗例だゴラァ」と水を飲み干した剛陣が突っかかってくる。

「こ、怖いでゴス」

「なんだこのロシアンルーレット感は」

ごくり、と喉を鳴らして、綺麗に飾られているクッキーを前にどれを食べればいいか悩む岩戸と万作。

「氷浦はどれにする？」

「俺はこれ」

悩む明日人の隣で、ぱっ、と目に付いたクッキーを口の中に放り込んだ氷浦に「即答だな」と未だに悩んで腕を組んでいた万作が目を瞬かせた。

「やっぱ美味しいな……日暮のお菓子」

焼きたてのチョコチップクッキーは、トローリとろけたチョコが口内の中に広がり、優しい味がした。

「旦那気取りか」

「だ、旦……!?」

万作の何気ない一言に、顔を火が出るくらい

赤らめた氷浦は、吹雪たちと楽しそうに

談笑するAを一瞥するとますます顔を赤らめると「氷浦顔真っ赤」と明日人に茶化されてしまう。

その一方で「どれにしようか悩むな」と

両腕を組んでいたタツヤがふと、隣り座る

ヒロトの頬が赤くなっていることに気がついた。

「ヒロト、その頬どうしたの？」

「怪力ゴリラ女にやられたんだよ、あのクソアマ」

皿に置いてあるクッキーを二、三個摘んで

リズムよく口の中に放り込み

舌打ちをしたヒロトに苦い笑みを零すタツヤ。

「また日暮さんに失礼なこと言ったんだろ？」

あんまり困らせるなよ、と言いながらクッキーを摘んだタツヤの耳にとんでもない言葉が飛び込んだ。

「ああ？胸触っただけだっつーの」

………………

「…………日暮さん!!!!」

「えっ、な……なに!?」

ヒロトの爆弾発言を聞き、思考回路を

一瞬停止させたタツヤが血相を変えて

吹雪と談笑するAの肩を掴んだ。

「き、基山くん？」

困惑するAを他所に

「ヒロトがごめん！責任取らせるから！

…………責任、取らせるから!!」と

彼女に迫ったのは、また別のお話______。