星を超えた想いを12【オリオンの刻印】 (ページ16)

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※デジャブページ16

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「ま、まって……あ、あんた何して!?」

突然の出来事に、頭が追いつかない。あれ、デジャブ……心の中ではそんな余裕があるものの、ヒロトの吐息が首筋に触れる度に脳が痺れるような感覚が走って、その言葉さえもどこかへと消えてしまう。

「っ………」

吸い上げるように何度も舌を這わせてはリップ音を響かせるヒロト。

それはだんだんと上へとむかい、ついに

耳朶をはむ、と咥えられてしまう。

「変態！！やめてヒロトくん！」

ヒロトの熱を持った舌が耳の中へと入ると声にならない腑抜けた声が口から漏れて、自分でも制御が効かなくなる。

「襲われて痕つけまくってるお前に言われたかねーよ、変態」

耳を責めるように耳朶を甘噛みしながら、舌を中へと入り込ませるとAの息がだんだんと上がっていく。

「やめっ」

「耳弱すぎだろお前」

｢あ…あんたね、ほんといい加減にしなさいよ！｣

普段は生意気で、自分を馬鹿にしてくる

Aが今、目の前で顔を紅潮させ

息を乱しながら懇願している。

｢お願いだからやめて、｣

「お前もそんな顔できるんだな」

謎の優越感を感じたヒロトは、子供が

悪戯を企てるかのような笑みを浮かべると

がぶりと耳朶に歯を立てて噛み付いた。

「ひっ…!?」

突然の痛みに、ぎゅっ、とヒロトの

ユニフォームを掴んで目を見開くA。

そのすぐあとに潤んだ瞳のままキッ、とした

目でヒロトを睨みつける。

「さい、てい…………し、ね……ばか！」

「うるせえ、お前が死ねよ」

「おかしいって、こんなの………っ！」

がり、と噛んだ耳朶からでてきた血を零さぬように舌で舐め回すと、反抗的だったAの口から何度目かわからない甲高い声が観客席へと響き渡った。

「………………」

そんなふたりの元へ、灰崎が駆けつける。

「この変態なん、とか……して」

耳まで真っ赤にして、息を乱しながらヒロトの肩を掴んで押し退けようと力を入れながら灰崎に助けを求めるA。

ヒロトも這わせていた耳から唇を離すと、何も言わずに俯いたままの灰崎へと視線を移動させた。

「…A」

「…っ!?」

名前を呼ばれて、ヒロトとは逆側へとAの隣に膝を着いた灰崎は、そのまま彼女の黒髪を払い除けると、一星が付けた印の上から歯を立て噛み付いた。