星を超えた想いを12【オリオンの刻印】 (ページ13)

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※一石二鳥ページ13

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一星の舌が、傷口に触れる度にちりっした痛みが走りAは彼のユニフォームを掴みながら声にならない声で叫んだ。

「これに懲りたらもう俺に近づかないことですね。こんなことされたいなら話は別ですけど……」

肩から顔を離して耳朶をかぷっ、と甘噛みしながら、ゆっくりとその手をユニフォームの中へと侵入させる。

「やめ…て、お願い一星くん」

一星の指先がAの腹部に触れると

声を抑えようと彼女は自分の手の甲で唇を塞ぐ。

「でも、あの二人の前で先輩に媚び売ってベタベタするのもいいかもしれませんね？きっと顔真っ赤にして俺の事殴りに来ますよ。」

想像したら笑えますね、とクスッと笑う一星。

「まっ、そんなことになったら灰崎くんたちは間違いなく代表を降ろされるでしょうね。俺は動きやすくなるからいいんですけど」

言葉と釣り合わない無邪気な笑みを浮かべて、一星はAのユニフォームの下から侵入した手でお腹を優しく撫でる。

「我慢しなくていいですよ？俺は先輩の腑抜けた声が好きなんです。」

そう言いながら、口元にあてられていたAの手を引き剥がす。

「本当に、いい加減にして！あんた、こんなことしていくら後輩だからって許さない、から！｣

｢こんな状況なのに、先輩は随分と強気なんですね｣

一星ははだけた彼女のユニフォームをさらに下の胸元までずらすと、傷一つない鎖骨にがぶっ、と歯を立てて容赦なく噛み付いた。

「ひっ…」

息を吹きかければ、Aの顔がみるみるうちに赤く染まる。傷口とそこから滴る血を優しく舐め上げて水音を立てながら刺激をすれば、苦しそうな声は色香のある声へと変わっていく。

｢ほんと、に…やめてっきもち、わるい…！｣

そして、鎖骨から顔を離すと、引き寄せられるかのようにAの頬に手を当てた一星は、彼女の唇に自身の唇を押し当て、侵入した手を進めていく。

その時_______。

ドタドタと、乱暴な足音を立てて走る音が

観客席へと近づいてくると、閉じられていた

観客席の入口扉が勢いよく開かれる。

「おいおいマジかよ、襲われてんじゃねーか」

「てめぇ…………一星ッ!!!!」

冷静な声と怒号の声……対照的な二つの声が

静かなスタジアムに響き渡った……。