エンジェルローブ ページ29
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レッドバイソンの味方同士でのラフプレーに
ソクはフィールドに倒れたまま意識を手放した。
再び騒然となるスタジアム。
【おっと！レッドバイソン、味方同士で激突だ！】
実況者の発言から察するに、恐らく
フィールド内にいた者以外は故意に
やった事とは思っていないのだろう。
「ひどい、どうしてあんなことができるの？」
担架で運ばれていくソクを見つめながら
Aはひどく、やるせない気持ちのまま
腹立たしいほどの苦痛を感じていた。
「邪魔だった.....大方そんなところだろうな」
Aの元へと歩み寄り、横に立ち並んだ灰崎が
彼女の気持ちを読んだかのような台詞を吐いた。
「(これが、韓国のやり方なの？)」
ふと、相手チームのペクと目が合うも
どちらからともなく ふいっ、と顔を逸らす。
「ったく。
味方同士で潰し合うなんてバカなやつらだぜ」
そんな灰崎とAの間に入ってきたヒロトが
額に手を当て、眺めるような姿勢でいると
「まったくだ。」と灰崎が珍しく意見に同意した。
「お前らがそれ言うのかよ.....。」
不動がすかさずツッコミを入れると
「う〜ん、意外に似たもの同士なのかも.....？」
Aもまたその隣で顎に手をあてながら呟いた。
「お前も他人のこと言えた口か？」
「へっ？」
自覚がないのか、目を点にして
「なんのこと？」とあっけらかんとした顔で
自分(不動)を見つめてくるAに、不動は
盛大な深いため息をついたのだった.....。
後半戦も残り時間が少なくなり
ソク・ミンウに代わって
ソン・ミンスがフィールドにその姿を現した。
「勝負を決めるぞ！」
韓国選手からのスローイングで試合再開。
韓国得意のプレースタイルで
一気に日本ゴールへと攻め込んでいくペクたち。
「なんとしても守り抜くぞ！」
鬼道の掛け声に声を上げる日本選手たち。
「日暮、やれるな」
「は、はい！」
鬼道からのその言葉にAは彼の顔を
見つめて決意を固めた表情で首を縦に振った。
「必殺タクティクス"エンジェルローブ"」
フィールド内にいるゴールキーパーを除く
十人でドンヒョクを取り囲む。
その陣形はまるで天使の羽衣が
視界を塞ぐかのような神秘的な光景だった。
そして、必殺タクティクスにより一人だけ
孤立してしまったドンヒョクは
パスを出せずにボールを奪われてしまう。
鬼道から明日人、そして前線にいた
Aへとパスが繋がった。
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作者名：小雪
| 作成日時：2018年10月12日 15時
