星を超えた想いを9【オリオンの刻印】 (ページ28)

今日:12 hit、昨日:2 hit、合計:347,624 hit

仲間割れページ28

.

レッドバイソンの猛攻に成す術がないまま

日本はゴール前の侵入を許してしまう。

そしてペクの必殺技「レッドブレイク」が炸裂。

円堂の前にすかさず立ちはだかった風丸は

頭から直に必殺シュートをくらってしまった。

このままではゴールポストに直撃してしまう。

しかし、円堂の必殺技「風神雷神」が

右方向から迫るボールを雷神が

吹き飛ばされた風丸を風神が受け止めることで、ゴールポストへの直撃を免れた。

しかし、円堂たちがホッとしたのも束の間。

こぼれ球のボールをカットしたドンヒョクの

シュートによって、日本は失点を許してしまう。

「あんな体勢からシュートを打つなんて.....」

軽く目を抑えたままゆっくり立ち上がるA。

「お前、目はもう大丈夫なのかよ。」

試合再開のため、自陣へと戻った彼女に

その前にいたヒロトが振り返り声をかけた。

「う、うん.....。まだ違和感はあるけど

見えないほどじゃない.....かな。」

まさかそんな事を聞かれるとは思わなかった

Aは少し驚いたように目を瞬きしながら

ヒロトを見つめながら答えると、ヒロトは

「そうかよ」と言って前を向いてしまう。

「ヒロトくん」

「あ？.....んだよ」

面倒くさそうな顔で振り返るヒロト。

「ありがとう」

その言葉に、一瞬目を見開いたヒロトだったが

すぐに彼女から顔を逸らすと、何も言わずに

また前を向いてしまう。

微笑むAを後ろに、隣にいた灰崎に

向かってドヤ顔をしてみせたヒロトが

彼の怒りを買って、再び火花を散らしたことをAは知る由もなかった.....。

試合再開のホイッスル

スコアは同点の二対二、両チームにとっても

ここが一番の踏ん張りどこだ。

「ソク、頼むぜ！」

開始早々ペクがバックパスをすると、そのボールを受け取ったソクにすかさずAのマークがつく。

「行かせな.....ッ!?」

___その時___

ソクの背後から迫っていたドンヒョクの行動に

Aは自身の目を疑った。

なんと彼は、同じチームの仲間であるソクに

激しいタックルをかましたのだ。

転がり落ちたボールは自然とAの

足元へと転がっていく。しかし、今の彼女に

ボールをパスするという判断はできなかった。

ソクがフィールドに倒れ込む寸前

これがトドメだと言わんばかりに走り駆けてきたパクの容赦のない膝蹴りが腹に直撃。

鳩尾をくらったソクはその場に倒れ

そのまま意識を手放した.....。