鏡 ページ27
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一点をリードしたイナズマジャパン。
韓国ボールから試合再開のホイッスルが鳴り響く。
ドンヒョクがボールをキープしながら
ドリブルで上がっていくと、ボールを
奪いに来たヒロトに向けてペクは「来いよ」
とでも言うように手で挑発をして見せた。
「ま、待ってヒロトくん！」
もともとプライドが高いヒロト。
売られた喧嘩は買うのが流儀なのか
突出していく彼をAは慌てて追いかける。
「かかったな。」
その時、パクがニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
パク、ペク、ドンヒョクが二人を取り囲む。
「鏡!?」
なんと彼らはスパイクに鏡を仕込んでいたのだ。
「眩し.....ッ!? 目が.....」
Aがそれに気がついた時には既に
照りつける太陽光に反射をして、まともに
見てしまったAはその場に膝をついてしまう。
そのタイミングを見計らったかのように
ドンヒョクとパクが二人の背後に迫る。
「おいブス、そのまま頭下げとけよ！」
ヒロトのそんな声が聞こえ、Aは言われた通りに頭を低くしたまま目を擦る。
それを確認したヒロトはボールを上空に
蹴りあげると「ザ・エクスプロージョン」を
フィールド中央にうち放った。
シュート技を放つことにより
相手からのラフプレーを回避したのだ。
「なめたマネ、してくれるじゃねえか.....」
着地をし、膝をついたヒロトは
眩まされた目を手の甲で目を擦る。
「お前、まともに食らったのかよ」
自分の隣にいたAは目を抑えたまま
肩で息をして動かない。
「交代するか？」
ヒロトがそう問い掛けるも、Aは無言で
首を横に振り、ここに残ることを決めた。
「今だ！この機を逃すな！」
ペクのその掛け声と共に
特攻バッファロートレインが再び発動。
近くにいた明日人は避けることができたが、膝をついたAとヒロトはその場から動けない。
「おい、動けるか？」
首を横に振るA。
ヒロトは顔を歪め、舌打ちをすると
「恨むなよ！」と言って傍に膝をついていた
Aの襟を乱暴に掴むと、投げ飛ばすような
形で左サイドへと放り投げた。
「日暮！」
咄嗟に受け止める氷浦。背中を打つことは
免れたが、彼女を投げたヒロトは
逆サイドへと吹き飛ばされてしまう。
「大丈夫か、日暮！」
「私は平気.....でもみんなが」
次々と吹き飛ばされる仲間たち。
赤い闘牛はとどまることを知らず
選手たちをなぎ倒し、ゴールへ突き進んでいく。
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作者名：小雪
| 作成日時：2018年10月12日 15時
