星を超えた想いを9【オリオンの刻印】 (ページ18)

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使徒ページ18

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あれから彼女の予想通り、耳鳴りは治まり

前のような激痛が起きることはなかった。

「(耳鳴りは科学的に証明されてるもの。

日頃の疲れからきてたんだよね。)」

代表選手に選ばれてからというもの

毎晩夜遅くまで練習を惜しまずにやっていた。

きっと、その疲れによるもので耳鳴りが発症しやすくなっているのだと勝手に解釈をするA。

ふと、韓国ベンチに顔を向けると、よりにもよって敵のエースストライカー(ペク)と目が合ってしまう。

「(イナズマジャパン、粉々に砕いてやるよ。

俺のこの手で....！"お前もろともな")」

何を思っているのかはわからないが

挑発的な顔で見下しているのは、彼の放つ雰囲気から見て取れた。

「感じ悪.....ッ」

ぼそっと小さな声で悪態をつくと、Aは

ペクから顔を逸らした。

そんな彼女の様子を見つめている者がいた。

「日暮が気になるのか、灰崎」

「別に.....気になんてしてねえよ。」

豪炎寺と話し終わった鬼道の問いかけに

灰崎が「違う」と答えるも、視線は

彼女に向けたままだった。

「そのわりには、視線は日暮に向いたままだが？」

「うるせえ。」

意地悪そうに鬼道がからかえば、灰崎は

バツの悪そうな表情をしてAから

目を逸らし、口の中に水分を流し込むと

乱暴に口元についた水滴を拭う。

「ううむ、これはまずいことになりそうですねえ」

「と、言いますと？」

不意に、灰崎の耳に監督と久遠コーチの

話し声が流れ込んだ。

大方、後半についての作戦のことだろう、と

目を伏せ、再び水分を口の中に流し込む灰崎。

「それでは、日暮が____も

時間の問題.....ということですか？」

久遠の意味深な発言に灰崎は飲み口に唇をあてがいながら二人の話に聞き耳を立てる。

「断定はできませんが、恐らく

日暮ちゃんは___に___を

____かもしれませんねえ.....。」

ボソボソと、小声で話し合う久遠と趙金雲。

所々聞き取れない部分があり、灰崎には

まったく何の話をしているのか分からなかった。

「灰崎ー！」

灰崎は、少しバツな悪そうな表情をすると、後ろ髪を引かれる思いで明日人たちの元へと歩いて行く。

「それにしても、話には聞いていましたが

まさかここまでのことを仕掛けてくるとは.....」

「牙を剥いてきましたね。

オリオンの"使徒"たちが.....。」

趙金雲は"ある人物たち"にを見つめるとすっ、と目を細め、意味深気に呟いたのだった.....。