アウェイ ページ42
.
ついにFF準決勝が開催された。
利根川東泉中対雷門中。
全国から沢山のサッカーファンが集まり
会場は本日も満員御礼となっていた。
「(ついにきてしまった...この日が)」
Aはスタジアムを見上げながら
深いため息をついていた。
試合前日まで、彼らは和解することなく
道成たちとの亀裂が入ったまま選手たちは
この日を迎えたのだ。
「その様子じゃ、雷門の方は万全じゃないみたいだな、A」
「しっかりしろよ、監視役」
Aが両肩を落としていると
背後から親しみのある声が聞こえた。
後ろを振り返ると、そこには懐かしい顔ぶれ、豪炎寺、風丸の姿があった。
「修くん...！風丸さん！」
先程まで落ち込んでいたのが嘘のように
嬉しそうに二人の元へと走ったA。
風丸が「よっ」と片手をあげて挨拶をする。
「二人が一緒なんて、珍しいですね」
珍しいメンツにAが驚いていると
豪炎寺が先に口を開いた。
「今回の試合はアイツがいるからな」
「見に行かないわけないだろ？」
同じ雷門で育ったもの同士、円堂の活躍は
この目でみたいということで意見が一致。
円堂繋がりで仲のいい二人なら納得だと
Aは一人、納得して頷いた。
「Aちゃーん！はやくはやく！」
遠くの方から自分を呼ぶつくしの声が
聞こえた。「はーい」とAが返事をすると
二人に頭を下げてその場を去っていく。
Aがスタジアムの中へと入ると
凄まじいほどの円堂コールの歓声が
スタンドを揺らすほど響き渡っていた。
「さすが円堂くん！」
つくしが目を輝かせながら賛美する。
同じ同期として誇らしいのだろう。
「こんなアウェイの中で戦うなんて」
圧倒された杏奈が不安そうに呟いた。
Aもまた、冷や汗が頬に伝っていた。
「予想はしてたけど、やっぱりすごい...」
ただでさえチームがバラバラだと言うのに
こんな中で試合をするとなれば、普段以上に
やりにくい試合となるだろう。
フィールドにいた雷門イレブンは
四方八方から聞こえてくるコールに
口が空いたまま驚いていた。
「どんだけ期待されてんだよ...」
剛陣が唖然とした表情で呟いた。
「伝説のキャプテン 円堂守...」
道成は自分のキャプテンマークを掴みながら
円堂守と自分の格差を思い知らされていた。
「円堂！ 円堂！ 」
「円堂！円堂！」
そしてついに、伝説のキャプテンと言われた
−−円堂守がスタジアムに姿を現したのだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小雪
| 作成日時：2018年8月10日 20時
