時を超えた想いを4【アレスの天秤】 (ページ3)

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決戦前夜明日人の決意!！ページ3

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母の死と向き合い、父が生きていたという真実を受け止めた明日人の瞳には一つの覚悟が滲み出ていた。涙を腕で乱暴に拭った明日人の表情はどこか明るいものへと変わっていた。

「俺、父ちゃんに言ってあげたいんだ。母ちゃんは父ちゃんのこと応援してたんだよって！」

母は後悔をしていた。純粋に応援をしてあげられれば、離婚をする必要も明日人を一人にさせる必要もなかったのだと。そんな母の気持ちを胸に、明日人はベッドから降りて窓から見える夜空を見上げた。

「...きっと会えるよ。」

「A。」

明日人の隣に立ち、一緒に夜空を見上げたAの横顔を彼はじっと見つめていた。

「明日人がサッカーを必要とする限り、お父さんもサッカーもそこにいてくれる。」

「...！(母ちゃん...)」

かつて母にも言われた言葉がAの言葉へとシンクロする。「もちろんお母さんもね」と笑いかけてくれるAに再び涙腺が緩んでしまう。

「だから今は.....思いっきり、泣いてもいいのよ？」

肩をそっと抱き寄せ、優しい言葉を囁いた。最初はキョトンとしていた明日人だったが、次第に視界が涙で霞んでゆく。今まで堪えていた堰が切れた明日人の嗚咽は木枯らし荘全体に響き渡った。

それから数十分後、泣き疲れ就寝についた明日人を見守りおわるとAは彼の部屋を後にした。

「明日人は!?」

「しっ。声が大きい！」

明日人を心配して部屋の前にいたのりかたちはAが出てくるや否や大きな声を出してしまう。つい大声をあげてしまったのりかの唇に人差し指をあて、注意をする。

「...泣き疲れて寝ちゃったわ。」

「大丈夫かな、明日人。」

服部がしゅんとした表情で俯く。その彼の頭の上に優しくてを置く岩戸。

「大丈夫よ？明日人は明日には変われる。何せ、太陽に選ばれた子なんだからね？」

「太陽に...選ばれた？」

Aの発言の意味がわからなかった奥入は首を傾げ、のりかと顔を見合わせる。「だから今はそっとしてあげて？」とAがそう言うと、皆は納得したように頷き合い、部屋へと戻り就寝についた。

Aもまた、部屋へつくとベッドへとダイブし、くつろいでいるとスマホの通知が鳴り響いた。着信ではなくメールであり宛名を確認する。

「...水神矢くん？」

送り主は水神矢であった。彼からメールが来るのは珍しくAは不思議に思いながらもメールを開く。そしてそこに書かれたメッセージに彼女は驚愕することとなった。