時を超えた想いを2【アレスの天秤】 (ページ40)

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見え始める光ページ40

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灰崎のプレッシャーをかけるような指示により、うまく動くことができない武方三兄弟。

武方務へと行くはずのボールは、白鳥によりラインが少し逸れてしまう。そしてそのままボールは勝の方へと繋がれたかと思われた。

【佐曽塚とめた！】

しかし、灰崎の指示のおかげで早く動けていた佐曽塚がボールをカット。その直後、カバーをするように豪炎寺がスライディングをけしかけボールを奪う。

迎え撃つのはキーパー天野のみとなった。豪炎寺とのタイマン勝負である。

「ファイヤートルネード」

豪炎寺の必殺技、ファイヤートルネードが天野を襲う。必殺技を出す暇を与えなかった豪炎寺の見事なシュートは、星章ゴールを再び揺らすこととなった。

「Aちゃん･･･！」

「大丈夫･･･まだ、まだ巻き返せるわ！」

試合時間は五分をきり、三対一と追い込まれていく星章学園にとっては厳しい現実が突きつけられていた。

「いくぞ、てめぇら！」

灰崎の掛け声に、誰一人文句を言う者はいなかった。灰崎ボールで試合は開始され、開始早々鬼道へとパスを繋ぐ。

【鬼道の行く手はふさがれている。木戸川清修、連携の守りが固い！】

武方勝、豪炎寺の不意をついた鬼道はそのままボールを早乙女、灰崎へと回す。そしてボールはフリーの早乙女の元へと戻り、灰崎と相槌をかわすと木戸川清修DF陣内へと切り込んでいく。

「エンジェルレイ」

神々しく光る眩しい光に照らされ、木戸川清修最後のDFは瞬く間に抜かれてしまう。その隙をついた早乙女は渾身の一撃でボールを勢いよく蹴りつける。

「MFの早乙女くんが、ゴールを決めるなんて！」

「これも鬼道さんの作戦のうちだなんて、どこまですごいのよ、あの人は。」

つくづくすごい人だと、尊敬の眼差しでフィールドに立つ鬼道を見つめるA。

再び試合が再開され、キャプテンの武方勝が星章ゴール陣内へと切り込んで行く。しかし静かに忍び寄っていた水神矢に気づかなかった武方はそのままボールを奪われてしまう。

【星章学園、パスを正確に繋いでいく！このボールが運ぶのは、まさに勝利への熱い思い！】

最前線への灰崎へとボールが繋がり、彼は勢いよく上空へと蹴りあげるとそこからシュート体勢へと入る。

「行けー！灰崎くん!!」

「オーバーヘッドペンギン」

Aの掛け声とともに放たれた灰崎の必殺シュートは一直線にゴールへと向かっていく。ですらも止められない強烈なシュートに再び星章学園が点を追加した。