木戸川清修 ページ25
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星章学園対木戸川清修の試合会場は満員御礼であった。試合開始を今か今かと待ちわびる観客達の高まりを感じながら互いのチームはウォーミングアップを行っていた。
「落ち着け！落ち着け、落ちつ･･･」
「日暮、大丈夫か？」
緊張のあまり心臓が激しく脈を打つのがわかるAは胸に手を当てながらぶつぶつと独り言を言っていた。それを見ていた水神矢が心配そうに駆け寄ってくる。
「かなり緊張してるな。」
「試合なんて出たことないから緊張しちゃって･･･。今までみんなこんな気持ちだったのね。」
応援する側とされる側ではこうも違うのかと、身にしみて感じたAは会場を見渡しながら言った。
「時期になれる。だが、まさかお前とサッカーをする日が来るなんてな。」
「私もこればかりは予想外。必殺技とか打てないし、きっとお荷物になるわ。」
屈伸をしていたAがそのまましゃがみこむ。自信がない表れだ。
「その分俺達がサポートするさ。日暮は思いっきりプレイしてくれ。」
水神矢の温かい言葉と共に差し出される手。
「･･･うん、ありがとう。」
Aは彼に感謝をしながら、その手を借りて立ち上がると、突如後から感じた貫く様な視線に背筋が凍った。
「(視線が痛い)」
「俺の前に現れるなと言ったはずだ。」
言わずもがな、その人物は灰崎である。
「それは、そう、なんだけど･･･。文句あるなら監督に言いなさいよ･･･。」
直接灰崎と話すのに抵抗があるのか、咄嗟に水神矢の背中に隠れたAは肩から顔を少しだけだす。そんな彼らのやり取りを横目に、豪炎寺と鬼道は再会を果たした。
「そっちはかなり仕上げてきたようだな。」
「相手はお前だからな、こっちも真剣だ。それに、アイツが出てくるとはさすがの俺にも読めなかったさ。」
水神矢の背に隠れては灰崎の顔色を伺うAを見ながら豪炎寺が呟いた。
「一番側で見てきた日暮なら、お前の癖を知り尽くしている。それに、灰崎を覚醒させる鍵になるやもしれん。」
「お手並み拝見、と言ったところか。」
見られていたことに気がついたのか、Aは控えめに豪炎寺に手を振ると、彼も優しく振り返してくれる。それが嬉しかったのか、顔を緩ませるA。
「(修くん、全然変わってない。)」
連絡をまともに取っていなかったため、幼馴染みとの再会は彼女にとって喜ばしいことであった。
その近くで豪炎寺と灰崎が睨み合っていたことなど彼女には知る由もな
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作者名：小雪
| 作成日時：2018年4月28日 12時
