ゲームセンター ページ15
。
灰崎がゲームセンターにいた事に気がついた明日人とAは外で暫く様子を伺っていた。
「ね、ねぇ明日人。まさかとは思うけど、声かけたりしないわよね？」
「ダメなの？」
Aが念の為にそう聞くと明日人はさも当たり前のように答える明日人。
「ダメじゃないけど･･･(何であいつゲーセンにいるのよ。この時間は練習のはずでしょ？)」
目を逸らし、言いにくそうに放ったAは心の中で文句を言うが明日人は話を聞かずに中へと入っていく。
「ちょっと明日人、人の話を聞きなさい！」
中へと入った明日人の後を追いかけるA。
ゲームセンターが伊那国島にはなかったため、物珍しそうに辺りを見渡す明日人。
「あの･･･！星章学園の灰崎くん、だよね？」
「明日人ー！！」
名前を呼ぶも時すでに遅し。Aが声をかけるより先に明日人が先にUFOキャッチャーをしている灰崎と接触してしまう。
「誰だ、お前。」
操作を中断し、声をかけた明日人を見る灰崎。
「この間試合したでしょ？雷門の･･･ってうわぁ!?」
「何勝手に話しかけてんのよバカ！」
やっとたどり着いたAは気さくに話しかける明日人のフードを掴み、引っ張りあげる。
「･･･お前。そうか、あのヘナチョコ中か。」
「ヘナチョコ！？」
Aがやってきたことにより雷門中だと察した灰崎は"ヘナチョコ"という言葉を吐き捨てゲームを再開する。
「ちょっ！ヘナチョコはないでしょ!?」
つい、いつもの癖で反論したAだったが灰崎と目が合うと明日人の背中にすぐさま隠れる。
「ね、ねぇ明日人。そろそろスポーツショップに行かない？こんなやつ放っておこうよ。」
明日人の裾を引っ張り、極力灰崎とは関わりたくないA。
「A、今日なんか変だよ？それに顔も赤いし･･･何かあったの？」
「な、何でもないわよ！」
痛いところを明日人につかれ、Aはますます顔を赤らめてしまう。その些細な変化に気がついた灰崎は面白そうに口角を上げる。
「へぇ、強化委員監視役ともあろうお方があんな事されたくらいでたじろぐとはな。」
「あんなこと？」
挑発的な言葉と意味深な灰崎の言い方に頭上にクエスチョンマークを浮かべる明日人。
「明日人の前で変なこと言わないでよ！」
「事実だろうが。」
その言葉に押し黙りこんでしまう。何とも言えない空気に明日人は状況が分からず二人の顔を交互に見つめる。
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作者名：小雪
| 作成日時：2018年4月28日 12時
