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。
翌日の朝。
明日人は万作のノック音で目を覚ました。
校長から廃部についての話があると呼ばれたのだ。
「廃部にならないんですか？」
数刻前、冬海が"廃部を免れるかもしれない"ということを告げたことにより、集められた生徒達に希望が見えた。
「日暮さんが昨夜、条件付きでスポンサーになってもいいと言ってくれた方と話をつけたそうです。」
冬海の言葉に、皆の視線はAへと集まる。
「その条件って？」
濁りのある言葉に明日人は首を傾げる。
「フットボールフロンティアに出場して一勝をあげること。」
Aの代わりに冬海が切り出す。
「フットボールフロンティアって、サッカー日本一を決める あのフットボールフロンティアですか!?」
氷浦が驚きのあまり口にした。
冬海はできるわけがない、とのことで断ろうとしていたとことを告げる。
「まだ無理と決まったわけじゃ･･･」
段々と小さくなるのりかの声。
明日人たちの顔色を伺うが、彼らも同じ気持ちなのだろう。
FFのことをよく知らない"剛陣鉄之助"のみが不思議そうな顔をする？
「今のFFは出場するだけでもそうとうの実力を要求される。ましてや、そこで勝つなんて･･･。」
剛陣にも分かりやすいよう説明をした道成。
勝ち目がない。そう結論づける格差に辺りは静まり返る。
「どうしたのよ皆！一勝よ？たった一勝すればあなたたちのサッカーがなくならなくて済むの。確かに大変な試合になるわ。･･･だけど！」
「簡単に言うな！俺達には出場資格もないんだぞ？」
乗り気じゃない伊那国イレブンを活気づけようと試みたAだが、道成がそれを制した。
出場資格。それがなければ大会にすら出られないからだ。
「それなら心配いらないわ。出場資格ならあるもの。」
ドヤ顔で満足げに両手を腰に当てるAに各々は顔を見合わせる。
「あなたたちには明日、私の出身校雷門中に編入してもらいます！雷門に編入することで出場資格は十分取れるわ。」
「雷門･･･ってあの雷門中？」
氷浦が聞き返す。
サッカー好きなら誰もが知っている名門校の名前。
「そこの出身校って･･･。」
「あー！！」
眼鏡をかけたチームの戦術眼とも呼ばれる"奥入祐"が途端に大きな声を出し、彼女を指さす
「思い出しました！雷門中の日暮A！怒涛の快進撃を遂げた雷門中のマネージャー！」
皆はその場で大きな声を出し驚いた。
そんなすごい人だったのか、と。
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作者名：小雪
| 作成日時：2018年4月6日 17時
