観光 ページ31
。
試合が終わり、会場を立ち去っていく観客たち。
そんな中でも雷門イレブン、もとい伊那国イレブンはこれからについて話し合っていた。
「せっかく東京に来たんだ、少し観光していかない？トキオサンシャインタワーで街を見渡そよ！」
「いいね、そうしよう！」
タダで帰るのはもったいない。そう感じた明日人の提案に、のりかたちも目を輝かせて賛成した。
「じゃあ観光案内役は私が務めるわね、雷門で育ったからこの地域のことはナビできるわよ！」
人差し指と親指で丸をつくり、自信満々に言うA。
「お、いつにもまして頼もしいな！」
「剛陣さん？それじゃ私がいつも頼もしくないみたいな言い方じゃないですか？ええ？」
剛陣の言葉が癇に障ったAはおもいっきり彼の耳を引っ張りあげて文句を言う。
「今のは剛陣先輩が悪いです。」
「でゴスな。」
こればかりはフォローできないと日和と岩戸は何度も頷く。
負けて悔しいはずなのに、その場には雷門イレブンの笑い声が響き渡った。そして明日人たちはAの案内によって雷門を観光し始めたのだった。
試合が終わり、ユニフォームから私服へと着替えた明日人たちはメインのトキオサンシャインタワーへと足を運んでいた。
「ここがトキオサンシャインタワーの最上階よ。ここから雷門全体が見渡せるの。」
「すっげぇ！」
平日と言うこともあり人が少なく、貸切に近い状態だったため明日人たちの興奮は最高潮に達した。
Aの説明を聞きながらも、服部はガラス越しに顔をくっつけ広がる景色を堪能していた。
「島じゃ見られない景色だな」
「やはり東京はすごいですね！」
普段冷静な道成ですらこの盛り上がり様である。
日和もまた、フロアのあちこちを見渡しては子供のようにはしゃぐ。
「そう？私は伊那国島の自然も好きだったけど。」
日和の言葉に、Aが反応する。
「じゃあ今度日暮さんも仕事じゃなくてプライベートで伊那国島へ来てみませんか？」
「私たちが案内するよ！」
奥入が眼鏡を掛け直し提案した。
のりかもまた、Aの手を握り嬉しそうに言う。
「それは楽しそうね、お願いしちゃおうかしら！」
意外な歓迎にクスリと笑い、お願いするA。
そんな楽しそうな雰囲気の中明日人は一人暗い表情をしていた。
「ここが東京のてっぺんか･･･」
そう呟いた明日人の言葉に皆が彼を見つめる。
側にいた万作はいち早く涙を流す明日人に気がついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 693人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小雪
| 作成日時：2018年4月6日 17時
