管理人さん、始めました。【地縛少年花子くん】

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「ただいま…」



「おかえりなさーい」



会長くんは心底疲れたーみたいな顔してた。
顔面偏差値高い人はなにやっても似合うんだなぁ。



「そういえば！前々から気になってたんですけど、いつもどうやって断ってるんですか？」



「…聞きたい？」



「聞きたい！」



「どーせ好きな人がいるって言ってるんでしょ…」



蒼井くんが書類整理しながら呟いた。
そんなわけないでしょ〜！と思いながらも、私も気になったので動かしていた手を止めて顔を上げる。そこには…



「ポーカーフェイスガッタガタですよ大丈夫ですか？？？」



“なんでわかったの”の文字が顔にありありと浮かんでる会長くんが！！



「会長くんにも春が来たんだ！！おめでとう！！」



スタンディングオベーション！！
蒼井くんに引かれた目で見られてるけど気にしない！！
だって！春が！！来たんだよ！！！

拍手をしていたら少しムスッとした会長くんが袖を弄り始めた。
ハッ！ボタン！



「会長くん会長くん。ボタン付けるんで腕貸してくーださい」



「ありがとう」



「いつも食べ物くれるお礼ですよ〜」



ふんふん歌いながらボタンを付ける。
この体は１６年だけど記憶は何百年とあるからこれくらいヨユーヨユー。
だから蒼井くん。「涼風さんって裁縫できたんだ…」って言わないでくれるかい？



「はい、出来ました〜」



「いつもありがとう。あ、アメ食べる？」



「食べます！」



ぶどうのしゅわしゅわするやつくれた。良い人だなぁ。
なのになんで、祓い屋なんだろうか。正体がバレてしまう。
私が七不思議管理人だということを知っているのは蒼井くんだけ。
バレてしまったら記憶を消さなければならない。



「…嫌だなぁ」



「どうしたの？」



「なんでもないですよー」



いつかはバレるんだ。覚悟しないと。


てかこのアメ美味っ！



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