管理人さん、始めました。【地縛少年花子くん】

◎Prologue ページ1

.



まだ、転校一週間もたたない頃の話。
夏服に切り替わった頃のこと。



「今日のご飯は…豚汁が食べたいな」



こんな独り言は弱々しい風と、誰かの大声でかき消された。



＿＿＿＿「ねぇ、そこの！」



ナンパァ？
あー、でも、声が焦ってるから違うか。

…まさか、まさかね。流石“もう”違うはず。



「そこの！男子か女子かわからない容姿をしている君！」



「あ、私ですか」



「そう！」



「ちょっと待って、呼吸整える」と、先程の大声とは比べ物にならないくらいの声で先輩らしき人物は苦しそうに呟いた。
話を聞くと、“管理人”というものになってほしいというものだ。



「あはは… やっぱり信じられないよね。“七不思議の管理人”だなんて」



「いえ、信じますよ。やりますよ、管理人」



先輩さんは驚いたものの、すぐに笑みを浮かべ言った。



「じゃあ管理人さん、宜しくね！」



私は返事の代わりに口角を上げた。



***



＿＿＿＿＿＿あれから一年経過した。

先輩さんは、管理人の仕事やら祓い家の対処法やら色々渡してきた。
突っ込みたい物もいくつかあったが、仕方なく受け取った。
だって全部覚えているから。

まぁ、そんなの今更か。気にしないようにしなきゃね。

一年たって、友達も増えた。私と同じ様な子を見つけた。生徒会に所属した。
嬉しい事尽くめ、ではないけれど。楽しいことがたくさんあった。
これから何が起こるんだろうね。楽しみだ。



「Aちゃーん！行こー！」



「はーい！今行くー！」



七不思議に会ってきます＿＿＿＿＿＿



.

◎Profile→

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す