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「アキラ。これ、Aさんから。」
「……これは、」
「"落し物"、だってさ。クラスメイトにアキラに届けてって頼まれたらしい。」
「そうですか…。」
ありがとうございます、とやけに綺麗な笑みでお礼を言った彼は怪訝そうに黒髪を揺らした。
俺たちに"
珍しいやり方だ、と思ったから。今どきこんなやり方で任務を伝えてくるなんてそうそうないから。
大体はイヤモニ越しや、アキラの場合だとメールだとかそういった類。なのに今回だけはいやに遠回りなやり方で。
極秘のようなものだったりするのだろうか。それとも家を通してない、個人的な……いや、考えるのはよそう。任務を達成する事だけ見てればいいのだから。詮索のし過ぎは良くない。
「…遅いね、アイツら。」
「…Aさんのこと困らせてるみたいですね。」
静かな空気を変えるため、さ迷わせていた視線をわいわいと騒がしい彼らの方へ向ける。
メニューの前で紫と金に挟まれている小さな金髪はウンウンと頭を悩ませているようで、あれこれと横から口を出してくる二人に惑わせないで、と言っているらしい。
ぴょんぴょんふわふわ跳ねて揺れて。散々悩んで決めたものは二人のイチオシ！とされていたもの。俺がちょっと気になっていたものでもあったりするからどうしようかな、なんて考えた。
「……おまえ、」
「ん？」
「そんな顔、出来るんだな。」
「え、なに。どんな顔？」
一口ちょうだいって言ったらくれるかな、と考えていたのがバレてしまったのか、アキラは二色が混ざりあった瞳を見開いて珍しくぽかんとした表情でこちらを見上げていた。
ポーカーフェイスはちゃんとしてたつもりなんだけど、出来てなかったか。
「アキラ？聞いてる？」
「聞いてる。そうだな、どんな顔……柔らかくて暖かい、今まで見た事がない表情だった。」
「なにそれ、」
「こっちが聞きたいくらいですけど？」
柔らかく暖かい、なんて。そんなの知らない。してたつもりなんて全くない。
今度はこっちがぽかん、としてしまえば彼ははぁ〜〜、と大きなため息をつき、それから気持ちは分かる、と呟く。
なんだよ、気持ちって。どんな気持ちだよ。そう思ったのが顔に出てしまったのか、アキラはいつか分かりますよ、と穏やかに微笑んだ。
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終わり
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ゆずもち@(プロフ) - 夢宮さん» これくらいだなんて言わないでください！夢宮さんの作品からいつも元気を貰っているのでどうお礼を申し上げたら……！応援ありがとうございます！夢宮さんも更新頑張ってください！✨️✨ (2023年4月3日 23時) (
レス) id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち@(プロフ) - 夢宮さん» わ、夢宮さん！コメントありがとうございますちょっとあの凄くとっても驚いているのですがファン！？ファン！？！？そうだったんですか！？！？嬉しすぎます！！夢宮さんの作品全て読ませて頂いているのでまさかそんな言葉を頂けるとは思ってもみませんでした…！ (2023年4月3日 22時) (レス) id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
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