はち ページ11
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ご飯も食べ、さぁ教室へ！と意気込んだのも束の間。リュックにぶら下がるとあるものが無いことに気付いて慌てて部屋に戻った。
ドアを開けて机の上にパッと視線を向ければ「忘れ物はここだぜ！」と言わんばかりに主張する防犯ブザー。色は白くて、どう見ても新品なそれは昨日何故かアキラ先輩に何があっても持っているように、と言われながら渡された物である。
「あぶなぁ…。」
行く前に気付けてよかった。肌身離さず持っていなきゃいけないものだから本当に焦った。面倒くさがらないで貰ったらすぐに付けておけば良かったよ。
紐の部分をリュックにくるくると巻き付けながらふと時計を見ると予定していたよりも大幅に時間が過ぎており、やっば、と再度焦ってしまう。
別に遅刻しそうってわけじゃないけど、絶対におはようって言いに行きたい人がいるから時間はなるべく余裕を持っていきたい。
なのに私が忘れ物をしてしまったせいで時間をガッツリと削ってしまった。なんてもったいない。
バタバタと急いで寮を出て、雲雀先輩にこっそり教えてもらったあの人が朝いるであろう場所へ自分の教室を後回しにして向かう。
向かったのは第一、第二音楽室───ではなく、もうほとんど使われていないらしい第三音楽室だ。ボロいとか、古いとか、そういう理由じゃなくて単に前二つのものよりも遠い位置にあるから使われていないだけ、らしい。
「……ん？」
朝だからいなくてもしょうがない、と思いつつ、上がった息を整えながら周りをきょろきょろと見回していると、不意に聞こえてくるバイオリンの音。
あまり詳しくないから分からないけど、そんな人間でもよく分かるとても綺麗な音で、バイオリン奏者にでもなりたい人がいるのかな、と引き寄せられるように音の鳴るほうへ足を動かせばそこは第三音楽室。もともと目指していた場所に到着していた。
そろりとドアを開け覗き込むようにして部屋に顔を覗かせる。するとそこにはあの人が、セラフ先輩が真剣な顔付きでバイオリンを弾いていた。
窓は開いているようで、そこから入ってくるふわりとした風がカーテンを膨らませていてとても幻想的だと、ほぅ、と見惚れながらそう思った。
「…聞きたいなら入っておいで。」
「ひょんっ！？」
「っふ、何その悲鳴。」
聴き入り始めたところでピタリと止め、ドアから覗き込んでいる私を見て美しく微笑みながら彼はぽんぽん、とピアノの椅子を軽く叩いた。…え、座れって？
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ゆずもち@(プロフ) - 夢宮さん» これくらいだなんて言わないでください！夢宮さんの作品からいつも元気を貰っているのでどうお礼を申し上げたら……！応援ありがとうございます！夢宮さんも更新頑張ってください！✨️✨ (2023年4月3日 23時) (
レス) id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち@(プロフ) - 夢宮さん» わ、夢宮さん！コメントありがとうございますちょっとあの凄くとっても驚いているのですがファン！？ファン！？！？そうだったんですか！？！？嬉しすぎます！！夢宮さんの作品全て読ませて頂いているのでまさかそんな言葉を頂けるとは思ってもみませんでした…！ (2023年4月3日 22時) (レス) id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
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