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ふっ、と意識が浮上する。ぼんやりとしたままいつもならアラームが鳴ってから起きるのになぁ、と考え、きっと早く起きすぎたんだな、と自分が１番納得する理由を頭の中で並べ、二度寝を決め込もうと寝返りを打つ。すると、
────ちりん。
小さな鈴の音が、首元から聞こえた。ストラップに付いているような安っちい鈴ではなく、人の手で丁寧に作られているような遠くにいても音が聞こえそうな鈴。
鈴のオーダーメイド屋さんがあるのなら、きっとそこで作られている。そう思ってしまう程の、綺麗な音。
それに驚き手を首元に動かせば、指先に小さくて丸くて少し冷たいものが触れ、その瞬間にまたちりん、と音が鳴る。
「………は、？」
寝起きだというのに私の思考は珍しく回っていく。
思わず飛び起きて両手で首をぺたぺた触れば、チョーカーのようなものに鈴が付いている事が分かる。
チョーカーであれば外せるのではないか？と考えた私は即座に後ろに手を回す。
「……外れた、」
留め具、留め具、と指先を動かせば簡単に外れたそれはどことなく首輪のように見えてしまい、怖くなって投げ捨てるようにベッドに
ぽす、と落ちたチョーカーはぢり、なんて鈍い鈴の音を鳴らす。
手元から恐怖の対象が無くなったことで幾分か安心し、大学の支度を整えようとベッドから抜け出す。が、しかし。
「……ここ、どこ……？」
恐怖で狭くなっていた視界が広くなり、部屋全体を認識できるようになった事で、私が自分の部屋ではなく知らない誰かの部屋にいることに気付いた。
推しのイメカラと対比しては綺麗だな、と思っていた寒色系の色が暖色系に変わっており、買って飾っていた推したちのグッズが綺麗さっぱり無くなっていて喉から引き攣ったような声が出る。
よくよく見れば間取りすらも変わっており、中学からの後輩に言われた「あなたは視野が狭すぎます！」という叫びを今になって思い出す。
なんで知らない場所にいるのか、と考えれば夜、寝ているうちに誘拐された、ということしか思い付かなくて、肌が粟立つ。
知らない人に、知らない場所に連れて行かれて、それから……────
自分の意思とは関係なく体がカタカタと震え始める。ドアは数歩先にあるのにそこに向かわないでいるのは、私を誘拐した人物がドアの先にいるのではないか、と思っているから。
逃げても捕まってしまうのなら、ベッドの上で小さくなっていた方がいい。
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イズ - ありがとうございます。楽しみにしてます！ (9月9日 16時) (
レス) id: e7957dca7b (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち@(プロフ) - イズさん» コメントありがとうございます。今日明日公開する予定なので少々お待ちくださいませ。 (9月9日 10時) (レス) id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
イズ - はじめまして。いつも楽しく拝読させて頂いています。こちらの続きを読ませていただきたいのですが、当方中国に在住のためTwitterの登録ができずフォローさせていただくことができません。今後作品を公開される予定はありますでしょうか？ (9月9日 3時) (レス) id: e7957dca7b (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち@(プロフ) - どーなつさん» コメントありがとうございます。パスワードですがTwitter(X)をフォローの上、ツイート(ポスト)内容を確認してからDMかましゅまろにてご連絡ください。 (9月5日 19時) (レス) id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
どーなつ - 推しに拐われた２の方でパスワードが分からず読めないのですが、どうしたらいいでしょうか。教えてほしいです。 (9月5日 18時) (レス) id: 185f957abc (このIDを非表示/違反報告)
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