▢運ぶ ページ47
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「とりあえず、手、貸してくれない？」
「え、いいけど…」
「ありがとー」
このままじゃ体力測定どころじゃないな、と思い申し訳ないという顔をした彼の手を借りる。
差し出された綺麗な手を掴んで引っ張りあげてもらうと、ズキズキとした痛みはあるものの何とか立つことに成功した。
しかし、支えがないと立ち続けることができないことが判明し、それと共にこのままじゃ歩けずに転んでしまうことも判明。何故なら足がめちゃくちゃ痛いから。
本能の「大人しく座れ。さもなくば転ぶぞ」という脅しに近い警告が頭の中でガンガンと鳴る。非常にうるさい。
さて、どうしようか。多分凄い無理すれば歩けると思う。けど、その分怪我が治るの遅くなってユウたちや家族に迷惑かけチャウんだよな。本当にどうしよう。
そう考え込んでいるとユウが明るい声で「私保健室連れてくよ！」と言ってくれた。
それにありがたいなぁと思って頼もうとすると、イブラヒムくんがどうしてか私の言葉に被せるようにして口を開いた。
「いや、俺が連れてく」
「えっ、ラムちゃん？」
「俺が怪我させたんだし、俺が連れてくべきでしょここは」
「わざとじゃないんだし、別に気にしなくても、」
「じゃあ栗空さん、一人で歩ける？」
「…無理デス」
「だよね。柊さんは栗空さんより小さいし、正直言って運べそうにないから俺が連れてくしかないでしょ。」
ほんの少し、トゲがあるように聞こえる言葉。けど本当は心配だからという意味が隠された、なかなか素直になれないイブラヒムくんの貴重なデレである。
これがまた不特定多数の性癖に刺さり、捻じ曲げ、トドメを刺した性格だ。大学の友人が軽率に狂っていたのをよく覚えている。
というか待って。今"運ぶ"って言った？え？運ぶ？えっ？？？
しぶしぶといった様子で納得したユウを見ながらイブラヒムくんは、はてなだらけの私の目の前に背中を向けてしゃがむ。そして「乗って」と一言だけ口から零した。
「え、」
「…さすがにお姫様抱っことかは無理だから」
「それは最初から求めてないから！！」
「じゃ早く乗って。そろそろ恥ずい。」
「し、失礼しまーす…」
なるべく体重をかけないように背中に乗ると、イブラヒムくんは足に振動がいかないように、とそっと立ち上がってくれる。
思っていたよりも広い背中をしていた彼にちょっぴりドキドキしてしまったのは意外だったから、という理由がある。
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ゆずもち@(プロフ) - くるみさん» コメントありがとうございます。やらかしてましたー！すみません！それとコメントが引っかかってしまうので消させていただきます…！すみません！ (2023年4月30日 12時) (
レス) id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち@(プロフ) - あからみさん» コメントありがとうございます。大丈夫そうかな？と思ったので外しました！ (2023年3月13日 0時) (レス) id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
あからみ - うっひょうぃ！！！！！！！！！パスワード外れてまた見れるぅぁぁぁぁあ！！！！！！！！！ (2023年3月5日 19時) (レス) id: 4aa51a475e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち@(プロフ) - 結葉さん» ボードに表示しないです…！すみません(--;) (2023年2月8日 14時) (レス) @page32 id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - パスワードはボードに表示しますか？ (2023年2月8日 1時) (レス) id: d9ce17d90a (このIDを非表示/違反報告)
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