【男主】魚 と 水 と 僕 【水槽には５匹】

帰り道 ページ44

シルクside




マサイ「一件落着…かな」

シルク「だな」


去っていく女の子の背中が見えなくなって改めて確認する


A「ごめんね、なんか」

シルク「ほんとだわ。もうこれからは隠すなよ」

A「うん」

マサイ「今度同じことになったら、さすがに動画にもするし最悪警察沙汰だからね」

A「わかってる。俺も気をつけるよ」

シルク「はぁ・・・ただ様子見に来たつもりだったのに、無駄に疲れたな」

マサイ「ほんと。今度こそ帰ろう」

シルク「おう。あ、その前に･･･」

A「ん？」

シルク「明日アスレ行くんだけど、どうする？」


忙しいだろうと思って誘っていなかったんだが

断っていた理由が解決された今、誘わない理由はない


A「行く！！」


案の定の即答だった


シルク「そっか。あー、じゃあ明日移動もあって面倒だし俺の部屋泊まる？」

A「いいの！？行く！」


目を輝かせて喜ぶ


A「最近シルクの部屋行ってなかったからさ、正直寂しかったんだよね」


人一倍寂しがりなA

そりゃ１週間近く友達の家に行かないなんて
こいつからしたらよっぽどだったんだろうな


A「だから１日中バイト入れてたんだけど、やりすぎてぶっ倒れてさー・・・・あっ」

２「ん？！」


今さらっと聞き逃せないことを聞いた気がする


マサイ「今、倒れたって･･･？」

A「あ、いや、その･･･人と、いたくて･･･」

シルク「だからって、お前なぁ」

A「ごめんなさい」

シルク「ったく･･･これだからAは目が離せないんだよ」

A「ごめんなさい･･･」


一緒にいてもいなくても心配だわ


・
・
・


A「・・・」

マサイ「A、どうした？さっきからキョロキョロして」

A「え？あぁ･･･なんでもないよ」

マサイ「まだ気配する？」

A「ううん」


薄く微笑んだA


シルク「・・・大丈夫だよ。さっきも言っただろ、お前は目が離せないって
　俺らがちゃんとお前のことも、周りのことも見てるから」

A「･･･優しすぎて違和感」

シルク「なんでだよ！人がせっかく心配してやってんのに」

A「はは」


でも、その笑顔はどこか空しくて


マサイ「まったく･･･怖かったんなら相談してよ」

A「うん…ごめん」


きゅっと結ばれた手に自分の手を滑り込ませる


A「えっ？」

シルク「今日だけ、特別な」

マサイ「じゃあ俺も」

A「・・・ありがと」

バスケ1【水溜りボンド：カンタ】（腐ィクション）→←ストーカー8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す