【男主】魚 と 水 と 僕 【水槽には５匹】

ストーカー5 ページ40

マサイside




その後もしばらく歩いて

なんとなく人通りの少ない公園まで着いた


シルク「ここでいいだろ」


繋がれていた手の力が緩まる

俯いたままのAを眺めるけど、何も言う気配はない


シルク「説明、してくれるよな」

A「うん・・・」

マサイ「つけてたのは誰？」

A「・・・」

シルク「A。」

A「ファンの子・・・だと、思う･･･」

マサイ「それって・・・ストーカー、とか？」


俯いたまま、視線だけで頷いたA


シルク「なっ！お前、それいつから」

A「えっと・・・２、週間･･･ぐらい、前？」

シルク「え、じゃあ遅れて来たのもなんか関係あんの？」

A「家、バレてたから･･･」

マサイ「え、もしかしてドアのビニール袋って」


コクリと小さく頷いた


A「だから、そのままシルクの家行ったらシルクの家までバレると思って・・・」


だから撒いてから来ていたと、徐々に小さくなっていく声で言った


シルク「お前なぁ、なんでそういう事早く言わねぇんだよ」

A「ごめん・・・」

マサイ「バディさんはこのこと知ってるの？」


ＵＵＵＭの社員さんとかもいろいろと相談に乗ってくれる

というか、この手の話は普通社員さんも把握しておくべきことだから
連絡がほぼ義務づけられている

しかし・・・


A「・・・」


俯いたまま微動だにしないということは

俺達はおろか会社にも言っていなかったということだろう


シルク「なんで何も言わなかったんだよ・・・」


ヤバい。シルクがガチでキレはじめてる


シルク「迷惑かけたくなかったとかだったら、ガチで怒るぞ」

A「いや、ちが･･･それもちょっとあるけど、そうじゃなくて」

シルク「じゃあなに」

A「言ったら、きっと大事になるから」

マサイ「そりゃ、大事だし」

A「動画とかで注意喚起とかするかなって･･･」

シルク「するよ。なんなら今から帰って撮ろうかとも思ってるし」

A「やめてっ！」


ずっと俯いていた顔を勢いよく上げて叫んだ


シルク「は？なんで･･･」

A「大事にしたくないんだよ」

シルク「だから、なんで？」

A「可哀想だから･･･」

シルク「え？」

A「その子が、可哀想･･･だから」

２「・・・はぁ？」

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