モスキート音は聴こえない (ページ2)

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『おはよーございますー！』

大きく挨拶をしながら楽屋のドアを開けた。

9人1部屋の大部屋なはずなのにソファやら鏡台やらでそれぞれがくっついてくつろいじゃうのはジャニーズでも珍しいと思う。

それぐらいくっつき虫が多い。俺はそのくっつく虫の1人でもあるんだけど。

例にならって3人掛けのソファなのにぴったりくっついて座るのはSnowManでもくっつき虫トップ2。

ドラマ班の3分の2で。

「だからーっ、阿部ちゃんは俺ですぅ！」

「いやいや！最近あべこじ来てるやん！？」

「だめ！絶対だめっ！佐久間さんと阿部ちゃんは一生シンメなんですー！

康二にはめめがいるでしょお！？」

「だって最近めめ構ってくれへんねんもんー！」

『なに話してるの？』

「あっラウ！ちょうどいいとこに来た～聞いてよ康二が！」

相変わらず大きい声で何話してるんだろうなぁと軽い気持ちで声を掛けてみると、振り返って俺に気付いた2人は途端にぱあっと瞳を輝かせる。

佐久間くんと康二くんは今日も可愛い。

まぁこの2人のことだからどうせチープな話なんだろうけど…。

「あ、ラウ今失礼なこと考えてたやろ。」

『ふふっ、うん。だって佐久間くんと康二くんの会話っていつも中学生みたいだもん。』

「な！なんだって！？せめてラウと同い年にしてくれよ！」

「も～遠慮ないなあラウ！」

『えー…遠慮ない俺は嫌い？』

「……んもう！ずるいやん！大好きに決まってるやん！」

「あざとくて可愛いなあ～ラウは！よーしよしよし！」

こてんを首を傾げると2人はふにゃっと顔をほころばせて俺の腕を引っ張ってソファの間に招き入れてくれた。

我ながらあざといなとは思う。そしてこの2人はチョロいなとも思う。

阿部ちゃんのあざとさとこの2人の扱い方を見てきて学んだこと。

この2人は阿部ちゃんと俺にめっぽう弱い。

ていうかSnowManみんな俺には優しいんだけどね。

『で、何の話してたの？』

「聞いてラウ！たくまくんが阿部ちゃんと一番ええコンビは佐久間くんやとか言うねん！」

「だってそうじゃん！何年シンメやってきたと思ってるのさ！」