プロローグ ページ2
「火事だ!!!」
「出火元、家庭科室だって!」
「げ、すぐそこじゃねーか!!」
「先生の誘導に従って、校庭に逃げてください!!!」
俺_野々原Aの通う高校が、火災の目に遭っちまった。
「おら、A!!早く逃げるぞ」
「おうおう、待ちな…っ!?」
親友_若葉が呼び掛けたものの、俺の行く手を炎が阻んだ。
炎を見ると、アレを思い出す。
「炎炎ノ消防隊」。
世を脅かす炎と戦う人たちの話と言えば、分かるかもしれない。
俺は今、戦っている…!!!
窮地に立たされているのに、満足感で満たされた。四方を炎に囲まれた。
俺は、ヒーローになるのかも…!!!
若葉は俺の名前を叫んでいるのだが、次第に遠くなってきた。意識はあるんだけどな…。
今度は、聞きなれたソレの声が聞こえる。
若葉じゃない。
「Aggggggga」
そう、これこそソレだ。焔ビト。
若葉のいたはずの場所に焔ビトが立っていて、でもソレは若葉がなったとは思えない。
つまり…
「俺、炎炎に来ちゃった?いやまさか、アレは2次元だろ…」
だが、その予測は当たってしまった。
次は…
「シンラ、焔ビトの意識を引き付けろ!その間にアーサーが斬れ。」
だとよ。
…え?シンラ?シンラって、あの森羅日下部?
アーサー?アーサーって、あのアーサー・ボイル?
そしてこの声は…火縄中隊長!?!!?
まわりの炎は俺を取り囲んでいるのに、そっちの方に意識が行く。
「うそだろ」
目の前にでっかい影が現れる。姿を認識する。
ああ、第8だ。推しが目の前に居る。
それに興奮した俺は、じたじたと暴れたくなった。その瞬間に、まわりの炎が消えた。
「…ん?」
あとは、焔ビトのまわりの炎だけ。
「…マキ、あの少年を保護してくれ。」
桜備大隊長が、マキさんに声を掛けた。たぶん少年とは、俺のこと。
「大丈夫ですか?怪我はしてないですか?」
マキさんに声を掛けられる。
「あ、はい」
マキさんの生声…美声だな…
そんな会話の間に、鎮魂は終わった。
俺はどうやら、「炎炎ノ消防隊」の世界に迷い込んだらしい。
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凛 - ここで終わり!?めっちゃ続き気になる (2022年8月16日 12時) (レス) @page7 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るえ | 作成日時:2022年1月14日 17時