事務の無難な私とエリートな彼《紫》

STEP41 ページ41

阿部｢さて、どこから行こっか笑｣


『んー取り敢えずお土産とか下調べしてみます？？』


阿部｢いいねそれ笑｣



お土産さんミニゲームコーナーなどを見てちょっとオシャレな出店を見つけた為一息つくことに…




阿部｢たまにはこういうのもいいね笑｣


『そうですね笑 久しぶりに外出ましたよ』


阿部｢お！康二から写真届いてる！｣


『あはは！楽しそうですね笑』


阿部さんの携帯に表示された写真は全員で変顔をしていたり、全力でポーズしてたりと静止画で、声が聞こえないはずなのに皆が大声で笑って居るのが今にでも聞こえてきそう…笑


阿部｢やっと笑ったね笑｣


『え…？』


阿部｢ほら最近笑ってなかったでしょ？｣



阿部さんに言われて初めて自覚したがたしかに営業スマイル以外で最後にまともに笑ったのがいつなのか思い出せなかった…


阿部｢それに…噂の独り歩きとか、ね？｣



阿部さんの言葉に心臓が飛び出そうだった…阿部さん達はいったいどんな噂をどこまで知っているのだろうか それを聞きたくても怖くて聞けない。


阿部｢まぁ今回は独り歩きって感じはしないけどね笑｣


『阿部さんはどう思いますか…？』


声が震えながらも聞いた質問 聞いといてなんだけど答えが聞こえる前に耳を塞ぎそうになる


阿部｢俺？んまぁ俺は嘘だろうなって思うよ笑｣


その言葉に力が加わっていた肩をほっと撫で下ろした。


阿部｢どうせあの子でしょ？なんだっけ、、、あぁ〜香取さん？｣


『確信はないですが…恐らく』


阿部｢俺あの子嫌いなんだよなぁ〜あの子から回ってくる資料ズタボロすぎるしズケズケと人のパーソナルスペースに入り込むし笑｣


内心驚いた 会社内で香取さんと阿部さんが話している場面は何回か見たことあったし、なんなら楽しそうに話していたイメージがあったから余計に



阿部｢……なんで否定しないの？噂のこと｣



たしかに否定しようと思えば出来たのに私はなぜ何一つ言えなかったのだろうか…


無謀だと思ったから？
知らんぷりしてたかったから？
まず関わりたくなかったから？


わからない…自分がわからない……


さっきから何も言えない…いや言いたくないのかもしれない



[……見つけた]


『へっ！？』


急に隣に座る男性声だけでわかってしまった私はいったいどうしたのだろう 今日の私はいつものより変なのかもしれない

STEP42→←STEP40 《紫》

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す