進化 ページ7
『マネージャーまで締め出すとは何事さ。』
お疲れっしたァ！！という声が響く中、
体育館のモップがけをしながらそう言う。
菅原｢まだ根に持ってたんか！｣
当たり前！と言って、先程のことを思い出す。
日向と影山の2人は、田中の予想通りに、勝負を持ちかけてきて、それに勝ったら部活に参加させてくれ、と申し込んできた。
いかにもあのふたりなら言いそうな考えだ。
大地は、今度入ってくる1年生を相手に、そして日向、影山チームに田中を入れて、3対3を行うことを決め、それが勝負となった。
菅原｢なんかさー、あいつらにキツいんじゃねー？大地｣
『それなぁ。まぁ私にもキツイよね大地は。』
澤村｢お前らも去年のあいつらの試合見たろ｣
『あっ、2人ともスルー』
自分のトスを打てる速いスパイカーを求める影山と、互い稀なスピードと反射神経、そしてあのバネをもつ日向が、今同じチームにいる。
その2人の連携攻撃が使えたら。
＿＿＿烏野は爆発的に進化する
ワクワクと期待と、絶対的な確信を持った目でそう言う大地に、やっぱりこの背中に着いてきて良かったな、と改めて思わされた。
『ま、コンビネーション以前の問題だと思うけどねっ！』
澤村｢それは重々承知だよ………｣
話をしながら全ての片付けを終えて、体育館を出る。
その時に、私はコソコソっと田中に駆け寄った。
『田中、明日、何時？』
これだけで何が言いたいか分かった田中は、
ニヤッと笑って言った。
田中｢5時っす！｣
『………やめよっかな』
田中｢Aさんって色々残念すよね！｣
『田中、殴るよ？』
本当に、なんでこいつは女子の私に向かってこんな態度なんだ。
やっぱ女子じゃないのか？女子認定されてないのか？ん？
田中｢なんか俺の姉貴にちょっと雰囲気が似てるんすよね！｣
『なるほどな。って声に出てたのかよ。』
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作者名：桜 | 作成日時：2020年5月19日 21時
