姉から弟へ ページ15
プルルルル、プルルルル、プルルルル
《姉ちゃん?》
『姉ちゃんの電話ワンコールで出んかい!』
《今部活終わったばっかなんや。》
『そうなんか、お疲れ様サム。』
《なんでサムの携帯に掛けたんや!!》
『相変わらずうっさいねんツム!前回あんたの携帯に掛けたやろ!!これで平等やんか!!』
私は、弟2人をツム、サム、と呼ぶ時もあれば、侑、治、と呼ぶ時もある。
侑と治も、私の事を姉ちゃん、と呼ぶ時もあれば、A、と呼ぶ時もある。
要は姉弟でその日の気分で呼んでいるということだ。
《何かあったんか?》
『あー、別に特に何もないねん。ただ、
久しぶりに2人の声が聞きたなっただけや。』
《………え、俺の姉ちゃんかわいすぎん?いつもそないなこと言わへんやんか!!》
『そういう侑こそ、うちのこと可愛い言うんは珍しいやん。うちが恋しいんか?』
《「「恋しいにきまっとるやろ!!」」》
『……はは、2人に口揃えて言われたら流石に姉ちゃんも敵わんわ。うちもあんたらが恋しいで?』
《俺、今から宮城行こうかな》
《無理に決まっとるやろツム。ほんまバカやな》
《うっさいねんサム!》
『ちょお2人で会話すんなや』
少しお互いの近況報告をし、そろそろ私も店に入ってミーティングに参加しなければならないので、別れを言う。
『ほなまた。次会えるんはいつやろな。
あ、信介に迷惑掛けすぎんなやな?
そーや、アランくんにもよろしゅう頼むわ。
じゃあもう切るな。』
ブチッ
あいつらは別れ際は面倒臭いのでとっとと切った。
高一の時にはもうこっちに来てた私だけど、侑と治が所属する稲荷崎男子バレー部の方々とは知り合いだ。
特に信介は、侑と治のこと近況をよく教えてくれる。
アランくんはほら、私も小学生の時からバレーボールやってたから、その時にクラブでね。
横文字に憧れてツムサムなんて呼び合い始めたあの頃が懐かしい。
すなりんは、よく動画とか写真を送ってくれる。
『ポジション決定したー?』
店に入ると、テーブルを囲む仲間の姿が見えたのでそう聞くと、田中がぐっと親指を立てていった。
田中「バッチリっす!!」
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作者名:桜 | 作成日時:2020年5月19日 21時