幻想譚

親心子不知 ページ3

〜香霖堂〜
ジェクト「邪魔するぜ〜っと」
香霖「いらっしゃい。何をお探しだい？」
ジェクト「いや、いい酒ねぇかな、と」
香霖「あるにはあるが…」
魅魔「おっ、酒かい?私にもくれよ」
ジェクト「なんなら三人で呑もうぜ」
香霖「…まだ僕はあるとしか言ってないんだが」

酒盛り中…

魅魔「ジェクトって言ったっけ？どこに住んでるんだい？」
ジェクト「地底のさとりの嬢ちゃんのところに厄介になってんだ」
香霖「覚か…心を読むという妖怪だね」
ジェクト「心読まれんのってんなに嫌なのか？」
魅魔「普通は気味悪く思うだろうね」
ジェクト「でもよ、あんな小さい子供だぜ？心読まれるからって子供を嫌うのはよくねぇだろ」

魅魔「まぁそりゃそうなんだが…」
香霖「ジェクト、君、もしかして子供でもいるのかい？」

ジェクト「…泣き虫の息子がな。最も、俺様は嫌われてっけどよ…」
魅魔「子供には親の心はまだ分からなくていいのさ。無邪気に、種族も何も関係なしにいたい奴といてくれれば、それでいいさ…」
香霖「魅魔、その言い方は魔理沙に自分と居て欲しいのかそれとも別の人と居て欲しいのかどっちなんだい？」
魅魔「誰も魔理沙の事だとは…」
ジェクト「…何年間もほったらかしてあげく怒らせてばかりの親父って、子供から見たらやっぱり嫌だよな。大嫌いだ、とか言われちまったしよ…」
魅魔「…その息子に誇れるようなもんはないのかい？」
ジェクト「…小さい頃は、俺みたいなブリッツの選手になりたい、って言ってたな。結局何もしてやれなかったが、あいつは自分でその夢を掴んだよ」
魅魔「なら今度あった時褒めてやれば」
ジェクト「前に会ったときにガチで殴り合って負けちまったよ」
香霖「息子さん、そんなに強いのかい？」
ジェクト「俺に言わせりゃまだまだだけどな。…」

〜回想〜
ティーダ「…大嫌いだ。アンタが嫌いで…でもホントは、強くなったなって、アンタに、認めて、言って欲しかっただけで…」

最後の方は、涙声になっていて、今まで押し隠していた本音が零れ出ていた。
ジェクト「ったくよ…いつまで経っても変わんねぇな」
ティーダ「仕方ないだろ…アンタの…息子なんだから」

ジェクト「へへっ…言いやがる」


ジェクト「おい…泣き虫。…強くなったな」

〜回想終了〜
ジェクト(…お前は本当に強くなった。思い残す事はねぇな。…すまねぇな、こんな親父でよ)

ジェクトの誓い事→←お値段以上？いいえ、お値段異常です byケフカ

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革ベルト

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