儚雪

・ ページ15

kj side









「ラウー！！早く！！！もう時間あらへんで！」







すぐに行く！と言った割に中々来ないラウールに痺れを切らして着替えながら呼びかける。









それにしても、何で先に行ってなんやろ…？
あそこに特に何も無いのに。







暗いステージ下で、背の高いアイツを待つ。









ru「ごめんなさい〜やっぱり暗くて迷いそうになって…」








暗闇からトコトコと現れたラウールはさっきまで着ていた衣装を脱いで、上下インナーだけになっている。









「遅いやんか〜！ほら、早よ着替え！」









ru「ん、ごめんなさい。いそぐ…」








シュン…としてしまったラウールに慌てて






「怒ってへん怒ってへん！！イントロ始まるから、な？」






バタバタとスタイリストさんに着替えさせられる…んだけど何か騒がしいような…





椅子に座ってるし。脱水っぽいのかな


・




スタッフ「っねぇ！ラウール君これ…」








ru「全く問題ないです。大丈夫なので…ヒミツで。」






・

そんな会話が聞こえない俺は、しっかり水飲んでるし大丈夫かと自己解決








sk「こーじー！ラウールー！曲終わるよ！」









「スタンバイやって！ラウール前歩き！」







違う場所にいた佐久間くんが呼びに来てくれて、迷路のようなステージ下を駆ける。
さっきみたいに迷子にならないように、ラウールを先に行かせよう＿








あれ？何か歩き方…変？






「ラウ…？もしかしてどっか痛い？」






ru「？ううん！全然大丈夫だよ。ほら、僕にはこのステージ下狭すぎて体勢キツいんだよね。」








言われてみれば俺でも屈んで歩くのに190近いラウールはしんどいだろうな…








「よっしゃ！後ろから押したるわ！！」








優しさのつもりでラウールの腰を押す＿








ru「？！…い"…ｯ…！」







sk「え？！何どうした、」






ストンと座り込んでしまった…フワっと押しただけなのに座り込む時も痛そうな声だし…







「ラウールごめん！！！強かった…？」






ru「…あ、ううん！予想してなかったから、全然ｯ、大丈夫！ごめんね」







すぐに立ち上がって歩き出す。この時にもっとしっかり聞いておけばよかったのに＿

・→←怪我＿ru

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す