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Melody49 ページ22

「 A 」


名前を呼ばれただけで幸せを感じるなんて、今まではなかった。

愛しいその声に呼ばれるだけで、わたしの頬は染まる。


「 こっち 」


いつの間にかピアノ椅子に座っていた拓人先輩が、わたしを手招きする。


「 なん、ですか……? 」


いつものように少し離れて立つ。

まだ、手招き。

わたしはもう一歩、拓人先輩に近づく。

まだ、手招き。


「 もう、なんで……ひゃっ!? 」


一瞬の出来事。

腰に腕を回されて、引き寄せられて……、


「 えっ!? 」


膝の上。

拓人先輩の膝の上にわたしは、

拓人先輩を背もたれにするようにして座っていた。

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作者名:風怜(Ruru) | 作成日時:2011年12月23日 20時

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