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Melody39 ページ12
「 Aちゃん 」
後ろから呼ばれて振り返れば、
「 蘭丸、先輩…… 」
彼はいつもの笑顔を浮かべていて。
「 わ、わたし…っ 」
涙が溢れそうだった。
罪悪感で胸が押しつぶされそうだった。
「 拓人先輩から、ピアノ…… 」
最後まで言えなかった。
わたしは……、
「 大丈夫 」
優しい声。
「 Aちゃんは神童から何も奪ってないよ 」
「 でっ、でも…… 」
わたしのせいで拓人先輩は、
「 よく聴いて？ 」
蘭丸先輩がドアの向こうに目を向ける。
そこには途切れることのない旋律。
「 神童はピアノを弾いてる 」
涙が零れ落ちた。
「 Aちゃんは何も奪ってない 」
「 …っ、 」
優しい笑顔。
もう、涙が止まらない。
どうして、わたしの周りの人達はこんなにも優しいのだろうか。
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作者名：風怜(Ruru) | 作成日時：2011年12月23日 20時
