―心から君を愛したい 2nd―【神童拓人】 (ページ9)

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Story44 ページ9

シン―…

本当にそんな音があるものか、

不思議に思っていた効果音さえも

今この状況で聞こえてくるから不思議だ。

どちらとも口を開かない。

でも、最後に口を開いたのはAだから

きっとAは俺の言葉を待っている。

俺とAの間になんだか妙な空気。

そんな空気を遠慮するように

コンコン

控え目にノックする

「誰？」

この時間からして看護師ではないことも

Aは分かっているのか

起こしていた体をベッドに預けた。

カラカラとスライド式のドアをゆっくり開ける人物。

「俺だ…、」

「 ……来ないで、って言わなかった？」

薄暗い部屋で

「ごめん」

2人の想いが交差する。

水色髪の、街灯の下で見た

倉間。

ベッドに体を預け、瞳を閉じる

A。

二人は恋人同士だった。