―心から君を愛したい 2nd―【神童拓人】 (ページ23)

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Story58 ページ23

天界に戻る為、準備する俺を

Aはじっと見つめていた。

「会議ってどんなの？」

Aの質問に俺は視線を上げずに部屋の鍵を手に取った。

「どんなのって言われても…、よくわかんないな」

「駄目じゃん」

Aは声を上げて笑った。

最近のAはよく笑ってくれるようになった。

「あ、でも研修生の指導についてだと思う」

「研修生？」とAは聞き返し

「あぁ、」とだけ返すとAは「頑張って」と言った。

この時期には研修生が入ってくる。

その研修生を一人前の天使にするために3日間だけ実技研修をする。

その指導をしなければならない。

「拓人に指導なんて出来るのー？」

なんてAは笑う。

「あまり自信はないけどな… 」

「しっかりしてよ」

時計を見ると、始まるまであと10分程しかない。

「あー、急がないと」

「急いでるようには見えないけど」

二人で顔を見合せて笑う。

Aは空に視線を向ける。

「天界は良いところ？」

「まぁな」

「そっか」

「今日はもう帰って来ないの？」

「いや、戻ってくる。だから窓は開けておいてくれ」

了解、その言葉を聞いて俺は窓から飛び出した。