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...早まってしまったかも知れない.....
ソファーに座ってキョロキョロと部屋を見渡す倫也さんはまるでプレーリードッグのようで
なんていうか
可愛いのです...
だけども
だけどもよ。
なんか勢いでこうなってしまったというか
わたしが連れ込んだ??みたいなかたちになっている今この現状。
たった15分前...
「なんで教えてくれなかったの?」
『んー、元々明日休みだしなんでもいいかなぁって思ってた。』
「夜にひとりで居たら変な人に捕まっちゃうかも知れないでしょ。」
『俺がピチピチの大学生とかだったらあり得るかもだけどさ、おじさんそう若くないのよ。』
「もぉーほんと...気づかなくてごめんね。」
『いやそこは突っ込んでよ。』笑
「よし、行こう。」
そう言って倫也さんの手を引いて歩き出した。
引きずられるように歩き出した倫也さんは、
『え?なに?どこいくの??』と目を丸くしていたけど、
わたしは当たり前かのように
「うちだけど。」
と答えた。
その瞬間、へらへらと引っ張られていた倫也さんはグッと力を入れて立ち止まった。
『いや、だめだめ。俺、渋谷とか行って漫喫でゲームでもするから。』
「あ。ゲームならうちにもあるよ!わぁ!久しぶりに倫也さんとゲームできる!やったー。いこいこ!」
『あ?!え?!!』
倫也さんのうちでゲームをした日、本当に楽しくて
またあんな風に二人で遊べると思ったら早く帰りたくて仕方なかった
ワクワクした気持ちで家までの道を倫也さんをひっぱりながら歩いて玄関の扉を豪快に開いて「どーぞ!」と言うと『ほんとに?』と何故か戸惑っている倫也さんの背中を「早く早く!」と押し入れた。
そして今、キッチンでお茶を...なんて思っていたら
ふと我に返った。
そして今に至る!!
15分前のわたし!!
そこのお前さんだよ。
なんでそんな大胆な事ふつーに言って押し通したんだい
全く自分が恐ろしい...
どうしよう1回意識しちゃったらもうダメかもしんない
「あっ。あの、倫也さん、なんかうち今なんもなくて!
ちょっとコンビニまで行ってくる!」
ショルダーから財布だけ持って玄関に向かって一歩踏み出そうとした瞬間に首元のフードをぐいっと掴まれた
『おい。何回言ったらわかるんだ?お主。』
背中側から聞こえた声に振り向くと呆れたような顔でこちらを見る倫也さんが居た
『お供しましょうか?』
という言葉に素直に
『...はい。』と返事した。
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RJS(プロフ) - 葵さん☆なんて嬉しいお言葉...涙が出そうなくらい嬉しいです。景色が目に浮かぶ様な物語が描きたかったので思いが伝わった気持ちになりました...。幸せです!言葉でお伝え下さって本当にありがとうございます。幸せに眠りまーす♡ (9月16日 2時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - まるで一本の映画を見ているような気持ちになり、一気に読み切ってしまいました。本当に素敵な作品ありがとうございます!空と海の碧さと夏の暑さが入り混じって、優しくて、もどかしくて。素敵な世界をありがとうございます♡˒˒ (9月15日 20時) (レス) @page24 id: e59d00ee3d (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - ゆずはさん» ゆずはさん☆コメントありがとうございます。読み返してもらえるなんて幸せな作品です!本文にも書きましたが、まだ頭の中にあるものがあります。それをうまくかたちにできるよう頑張りますので是非お付き合い頂ければ嬉しいです。最後までありがとうございました! (2022年2月13日 9時) (レス) @page24 id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ついに終わってしまった、、。とても幸せな気持ちになれる作品でした。RJSさんが作り出す倫也さんが大好きで何度も読み返してました笑笑また新しい作品で出会えたらぜひ見に来たいと思います!! (2022年2月12日 23時) (レス) id: d5f1772468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RJS | 作成日時:2022年1月18日 9時