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家までの分かれ道を手を繋いで歩いて

久しぶりの倫也さんと繋ぐ右手に嬉しくなって

涼風から【碧】までの道よりも長い距離なのに

あっという間に分かれ道に着いてしまって


『ちゃんと布団かけて寝なさいよ。』

手のひらを頭に軽くポンとさせて倫也さんはいつもと同じような笑顔で笑っていた


「...うん。倫也さんも【碧】で寝ないでちゃんと、おうちに帰りなさいよ。」

そう言うと、『んふふ。じゃあ、またね。』

と言ってから『行って。』

と手を振った。


「...うん。...じゃ。」

小さく手を振ってくるっと向きを変えた。

数歩歩いたところでもう既に寂しくなってしまうわたしはこの先やっていけるんだろうか...

あんなちょっとのキスで心臓口から出そうになってるわたしはこの先...大丈夫なんだろうか...

本当はもっと一緒にいたいなんて言ってしまったら
来てくれただけでもありがたいのに
それは...欲張り...だよね...

小さく少しだけ溜息をついて顔を上げると左側に見えるコンビニのレジの後ろに見えた時計がふと目に入った。



.....時間









ハッと今歩いてきた道を振り返る


-よく考えてみたらわかることじゃん!わたしのバカ!!-


頭の中で自分自身に大声で言った


すぐに振り返ってショルダーを手で抑えながら分かれ道に向かって走り出した

さっき別れたばっかりの分かれ道を抜けて大通りに向かった。

息は切れるし髪の毛もボサついてるのがわかる

だけど、きっとまだ...









大通りに出る手前、

通りの光の逆光で見える影

そんなに背は高くなくて

肩幅も広くはなくて

ゆっくりとしたペースで歩く少しクセのある歩き方














いた...













走る速度を上げて

背中に近づいて

声をかけるより先にダウンの裾を掴んでいた。









息が切れて上が向けない...

ダウンの裾を持ったまま膝に手をついて息を整えていると




『...どうした?!』


振り返った倫也さんは焦っていてわたしの背中に手を置いた


息が整わないわたしはしゃがんで顔だけを倫也さんに向けた



「良かった。間に合って...。はぁ、疲れた。
はぁ。.....ねぇ。なんで嘘つくの?」



『.....?』



なんのことやら?顔の倫也さんに



「今からじゃおうち帰れないでしょ?」


少し不機嫌に言うと、











『あの〜。それ、俺別に嘘ついてなくない?』

そう言った倫也さんはわたしの前にしゃがんで

困ったように

だけど愛しそうに


笑ってくれた...

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設定タグ:中村倫也 , 恋愛 , ドラマ   
作品ジャンル:恋愛
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RJS(プロフ) - 葵さん☆なんて嬉しいお言葉...涙が出そうなくらい嬉しいです。景色が目に浮かぶ様な物語が描きたかったので思いが伝わった気持ちになりました...。幸せです!言葉でお伝え下さって本当にありがとうございます。幸せに眠りまーす♡ (9月16日 2時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
- まるで一本の映画を見ているような気持ちになり、一気に読み切ってしまいました。本当に素敵な作品ありがとうございます!空と海の碧さと夏の暑さが入り混じって、優しくて、もどかしくて。素敵な世界をありがとうございます♡˒˒ (9月15日 20時) (レス) @page24 id: e59d00ee3d (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - ゆずはさん» ゆずはさん☆コメントありがとうございます。読み返してもらえるなんて幸せな作品です!本文にも書きましたが、まだ頭の中にあるものがあります。それをうまくかたちにできるよう頑張りますので是非お付き合い頂ければ嬉しいです。最後までありがとうございました! (2022年2月13日 9時) (レス) @page24 id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ついに終わってしまった、、。とても幸せな気持ちになれる作品でした。RJSさんが作り出す倫也さんが大好きで何度も読み返してました笑笑また新しい作品で出会えたらぜひ見に来たいと思います!! (2022年2月12日 23時) (レス) id: d5f1772468 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RJS | 作成日時:2022年1月18日 9時

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