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156. ページ6

「...去年?」

『うん。言ったでしょ?見たことある、去年見たって。』

「...言ってた..けどわたしと見たの?」

『あの場所ね、去年からなんだよ。
花火見れるようになったの。
だから俺も知らなくて休憩しにふらっと。
そしたらAちゃん居て、ここじゃ見れないよって言おうかなって思ったらAちゃん泣いてて。
そしたら、ドーーーンって。

すげー綺麗だった。

花火も

Aちゃんも。』

そう言うと倫也さんは思い出したように桜を見上げて微笑んだ

「わたしだって...いつわかったの?」

『んー?そのバッグの中に入ってる星の砂渡した日。』

クスッと笑いながらわたしのショルダーを目線で指した



え!?



「な、なんで?!」

思わずショルダーを胸に握った。



『さっきココア買った時見えた。』

そう言ってクスクス笑う倫也さん



いや...はずかしっ...


下を向いて赤くなる顔を必死に隠した。













『すげー嬉しい。』


優しい声と共に頭に乗せられた手のひら

その優しい手の感覚に視線を上げると

『ね。だから2回目。でももしAちゃんが人工的なやつ見たいなら今年は一緒に見ようか?』

そう言いながら笑う倫也さんは楽しそうで

「言い方どうにかならないの?」

そう言って私も笑った。





それから

会えなかった半年ちょっとの話を

一緒に過ごした二ヶ月弱の話を

お互いに思い出しながらゆっくり話した


初めてふたりで話した涼風の縁側

初めてふたりで花火をした倫也さんの家のベランダ

そして

初めてふたりで桜を見上げているこのベンチ

毎回わたしの左側には倫也さんが居て

いつも穏やかに優しく笑ってくれていた



『思い出すなぁ。涼風の縁側。Aちゃんすっ転ぶかと思ったもんな。』

「だってあの時は...その...

『何考えてたんだっけ?』

「もぉ、なんなの!?」

『あはははは!』



だめだ。この人。
本当に楽しんでる。


悔しくて目を瞑って前を向くと















『Aちゃん。』

声が近い気が...す..


振り向いた瞬間、右頬にあったかい手が触れて

顔が...

近づいて...



だけど



そのまま倫也さんを見つめた











『変なこと考えてるの?』


優しく微笑みながら聞くあなたの目線















だから













「ロマンチックな事考えてるの。」

まっすぐに倫也さんを見つめて微笑んだ











触れた唇からは優しくて甘いココアの香りがした...

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設定タグ:中村倫也 , 恋愛 , ドラマ   
作品ジャンル:恋愛
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RJS(プロフ) - 葵さん☆なんて嬉しいお言葉...涙が出そうなくらい嬉しいです。景色が目に浮かぶ様な物語が描きたかったので思いが伝わった気持ちになりました...。幸せです!言葉でお伝え下さって本当にありがとうございます。幸せに眠りまーす♡ (9月16日 2時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
- まるで一本の映画を見ているような気持ちになり、一気に読み切ってしまいました。本当に素敵な作品ありがとうございます!空と海の碧さと夏の暑さが入り混じって、優しくて、もどかしくて。素敵な世界をありがとうございます♡˒˒ (9月15日 20時) (レス) @page24 id: e59d00ee3d (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - ゆずはさん» ゆずはさん☆コメントありがとうございます。読み返してもらえるなんて幸せな作品です!本文にも書きましたが、まだ頭の中にあるものがあります。それをうまくかたちにできるよう頑張りますので是非お付き合い頂ければ嬉しいです。最後までありがとうございました! (2022年2月13日 9時) (レス) @page24 id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ついに終わってしまった、、。とても幸せな気持ちになれる作品でした。RJSさんが作り出す倫也さんが大好きで何度も読み返してました笑笑また新しい作品で出会えたらぜひ見に来たいと思います!! (2022年2月12日 23時) (レス) id: d5f1772468 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RJS | 作成日時:2022年1月18日 9時

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