168. ページ18
〈ねぇ、もういいから。ゆっくりしてなよ!〉
「いいからいいから♪久々なんだし〜。」
〈そろそろ行ったら?場所なくなっちゃうよ?〉
「でも倫也さんギリギリまでお店出れないって言ってたし。」
〈あー。倫也も本当マイペースってゆーか。〉
「いーの!そういう倫也さんがいーの!」
〈はいはい。そーですか。〉
あれから少しだけ時間は流れて
夏が来た
今日は待ち遠しかった花火大会で
昼から来ていたわたしは着いて早々に涼風でお手伝いをしていた
〈倫也も今日くらい休めばいいのに。〉なんてプリプリ言っている朝海に、でも倫也さんが今日休むわ。とか言ったら引くでしょ?と言うと、〈たしかに。〉と妙に納得して今に至る。笑
そうこうしていると、玄関がガラガラと開いた
〔まいど!おー!Aちゃんやんけ!〕
「大輔さん!!」
〔なんや戻ってきたんか?〕
「いえ、今日は花火見に来ました。お客さんです。」
〔なんやー、出戻りかと思ったわ。〕
なんて言われながら笑い合っていると、奥から
[大ちゃん、Aちゃんが戻ってくる時は今度はうちじゃなくて【碧】の若い女将さんとしてかも知れないわよ?]
そう言いながらヨシおばあちゃんが顔を出した。
〔ほなあのイケメンはどうなったん?まさかあのイケメンを振って倫也選んだんか!??〕
わたしが半笑いで固まっていると、
〔Aちゃん.....
見る目あるやんか。さすがやな。〕
そう言った大輔さんはわたしの肩をバシバシと叩いて〔それみんなで食いや!ほなまた!〕と手を振って出て行った。
〈わ!イカ焼きー!Aも待ってく?あ、ロマンチックじゃないからだめ?笑〉
[もう、ふたりで居たらなんでもロマンチックなのよぉ。
本当お似合いね。Aちゃんとともちゃんは。朝海もいつ見つけてくれるのかしらねぇ。]
〈おばあちゃん、あたしは倫也みたいのよりもっとイケメン連れてくるからぁ!〉
「ちょっと朝海、倫也さんのことみたいのって言わないでよ!すごいかっこいいじゃん!」
そう言った瞬間に朝海とヨシおばあちゃんは同時にわたしを見て吹き出した。
〈あははは、やめてよ!倫也かっこいいとか。〉
[ともちゃんはかわいい系よね。]
と二人で抱き合って笑っている。
そんなふたりを見て「ちょっとー!!」と言いながら私もたくさん笑った。
やっぱり
わたしはこの街が
ここの人達が
この空気が
あったかくて...大好き
115人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RJS(プロフ) - 葵さん☆なんて嬉しいお言葉...涙が出そうなくらい嬉しいです。景色が目に浮かぶ様な物語が描きたかったので思いが伝わった気持ちになりました...。幸せです!言葉でお伝え下さって本当にありがとうございます。幸せに眠りまーす♡ (9月16日 2時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - まるで一本の映画を見ているような気持ちになり、一気に読み切ってしまいました。本当に素敵な作品ありがとうございます!空と海の碧さと夏の暑さが入り混じって、優しくて、もどかしくて。素敵な世界をありがとうございます♡˒˒ (9月15日 20時) (レス) @page24 id: e59d00ee3d (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - ゆずはさん» ゆずはさん☆コメントありがとうございます。読み返してもらえるなんて幸せな作品です!本文にも書きましたが、まだ頭の中にあるものがあります。それをうまくかたちにできるよう頑張りますので是非お付き合い頂ければ嬉しいです。最後までありがとうございました! (2022年2月13日 9時) (レス) @page24 id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ついに終わってしまった、、。とても幸せな気持ちになれる作品でした。RJSさんが作り出す倫也さんが大好きで何度も読み返してました笑笑また新しい作品で出会えたらぜひ見に来たいと思います!! (2022年2月12日 23時) (レス) id: d5f1772468 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:RJS | 作成日時:2022年1月18日 9時