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なにもなかったということにホッとしたわたしは清々しい気持ちで「さっ！仕事の準備しよーっと。」とベッドから離れると、『えー。あっさりか。』と背中からボソボソとヘソ曲げる声が聞こえてどこまでも可愛い倫也さんにクスッと笑いがこみ上げた。
顔を洗いに鏡の前に立って
そしたら急に昨日の事が動画みたいに頭の中で再生されて
キスの感覚とか
倫也さんが触れた頬のあったかさとかが
じわじわ現実味を帯びてきて
顔の体温が急上昇していくのがわかる
ーやばいっ！しっかしりて！ー
水道を捻って冷たい水を手にすくって頬に当てた
.......え...？
鏡に映る光景に
すぐにベッドルームに向かった
バタバタと走って、扉に手をかけて
「倫也さん！」
と呼ぶと、眠たそうな目を少しだけ開けて
『なに〜？もっかい寝るの？』
と微笑んでいて、
その姿を見たらなんかわかんないけどすごい泣きそうになって
なのにそんなわたしにお構いなく、
『違うか〜。起こしに来たんでしょ。はいはい。起きますよ。』
そう言いながらもそもそとベッドから起き上がって
髪の毛はぴょこぴょこと跳ね上がって
目はあんまり開いてなくて
だけど『朝からAちゃんはかわいいね。』なんて言って出会った日からずっと変わらない笑顔で笑ってて
もう
この人は
なんなんだよ...
そう思った時には思いっきり抱きついていた。
「...ありがとう。」
『んふふ、俺そんな起きなそうだった？ちゃんと起きれるよ？』
頭を撫でながら的外れな事を言う倫也さんはやっぱり倫也さんだ。
「...ちがうよ。これ。」
まるで婚約指輪でも見せるように顔の横に手を出すと
『おー。やっぱりお子様には似合うねぇ。』
と子供の頭を撫でるようにガシガシとわたしの頭を掴んでケラケラと笑っていた。
わたしも本当は怒んなきゃいけないとこなのに
嬉しいが勝っちゃって
泣かないようにまたギュッと抱きついて
「ありがとう。」
もう一度言った。
倫也さんは本当はすごく恥ずかしがり屋で
いつだって照れ隠しでふざけてて
でも
いつだって手のひらは優しくてあったかくて正直だ
そこに本当があるから
わたしはその手にいつでも触れられることが
幸せで
わたしの薬指で光る石も
倫也さんの胸で光る石と同じくらい
輝いて見えた
これがどんなにおもちゃだって倫也さんが言っても
わたしにとっては
紛れもなく本物だから...
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RJS(プロフ) - 葵さん☆なんて嬉しいお言葉...涙が出そうなくらい嬉しいです。景色が目に浮かぶ様な物語が描きたかったので思いが伝わった気持ちになりました...。幸せです！言葉でお伝え下さって本当にありがとうございます。幸せに眠りまーす♡ (9月16日 2時) (
レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - まるで一本の映画を見ているような気持ちになり、一気に読み切ってしまいました。本当に素敵な作品ありがとうございます！空と海の碧さと夏の暑さが入り混じって、優しくて、もどかしくて。素敵な世界をありがとうございます♡˒˒ (9月15日 20時) (レス) @page24 id: e59d00ee3d (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - ゆずはさん» ゆずはさん☆コメントありがとうございます。読み返してもらえるなんて幸せな作品です！本文にも書きましたが、まだ頭の中にあるものがあります。それをうまくかたちにできるよう頑張りますので是非お付き合い頂ければ嬉しいです。最後までありがとうございました！ (2022年2月13日 9時) (レス) @page24 id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ついに終わってしまった、、。とても幸せな気持ちになれる作品でした。RJSさんが作り出す倫也さんが大好きで何度も読み返してました笑笑また新しい作品で出会えたらぜひ見に来たいと思います！！ (2022年2月12日 23時) (レス) id: d5f1772468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RJS | 作成日時：2022年1月18日 9時
