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わたしが何か言葉を返す暇もなくハイテンションに電話を切った朝海
−全く理解できなかった...ー
ケータイを手に握ったまましばらくフリーズしていたわたし
しばらくすると【お風呂が沸きました】というセリフと共に明るい音楽が部屋に響いた
−...とりあえず....お風呂入ろ−
熱めのシャワーを頭から浴びて目を閉じた
その瞬間
体はあの日、あの雨の日の倫也さんの家にタイムスリップした様に感じた
頭の中で映し出される木目調のウッド素材の廊下
広いリビングにソファーがひとつ
あたたかい匂いと窓の外から聞こえる雨音
そして
優しく柔らかくわたしに微笑む笑顔
触れた前髪
朝のコーヒーの香り
全てが鮮明で
ひとつも忘れたくなかったんだって
そう思ったら
気づけば口元には笑みが溢れていた
湯船に浸かって「よし。」と言葉にして
バスルームを後にした
髪を乾かして、ベッドの上に座って、両手でケータイ電話を手にした
ライン画面を開いて深呼吸した
−もう嘘をつくのはやめよう。−
そう決めて、指を動かした。
【倫也さんお久しぶりです。元気ですか？
突然連絡してごめんなさい。
みんな変わりはない？朝海からは会う度にいろんな話を聞いて、いつも懐かしい気持ちでいっぱいなります。
去年の夏はわたしにとって本当に特別でそれは今も変わらないです。
わたしはこっちに戻って新しい仕事も始めて毎日がバタバタと過ぎていってます。
元気に過ごしてると言いたいし、元気に過ごせてるとも思ってるけど、やっぱり倫也さんと過ごした夏みたいには過ごせてなかったと思います。
倫也さんが電話をしてきてくれた日、あの時のわたしは嘘をつきました。
本当は海の香りも朝の鳥の声も水平線から見える朝日も全てが恋しかった。
わたしはあの街が大好きで、あの街の人達が大好きで、だから寂しさで潰されそうでした。
だけどそれ以上に毎日を過ごしていく中でわたしの中で倫也さんの存在がどんどん大きくなっていって自分の中で抱えきれなくなってしまって逃げてしまったのはわたしの弱さです。
だから倫也さんのせいじゃないし、前にも言ったけどわたしは倫也さんに幸せになってほしいんです。
だから倫也さんが幸せならわたしもきっと大丈夫です。
こんなに時間が経ってしまってからで今更だけど
倫也さんは紛れもなくわたしのヒーローで大好きな人でした。
出会えて幸せでした。嘘ついてごめんね。ありがとう。
A】
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RJS(プロフ) - 葵さん☆なんて嬉しいお言葉...涙が出そうなくらい嬉しいです。景色が目に浮かぶ様な物語が描きたかったので思いが伝わった気持ちになりました...。幸せです！言葉でお伝え下さって本当にありがとうございます。幸せに眠りまーす♡ (9月16日 2時) (
レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - まるで一本の映画を見ているような気持ちになり、一気に読み切ってしまいました。本当に素敵な作品ありがとうございます！空と海の碧さと夏の暑さが入り混じって、優しくて、もどかしくて。素敵な世界をありがとうございます♡˒˒ (9月15日 20時) (レス) @page24 id: e59d00ee3d (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - ゆずはさん» ゆずはさん☆コメントありがとうございます。読み返してもらえるなんて幸せな作品です！本文にも書きましたが、まだ頭の中にあるものがあります。それをうまくかたちにできるよう頑張りますので是非お付き合い頂ければ嬉しいです。最後までありがとうございました！ (2022年2月13日 9時) (レス) @page24 id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - ついに終わってしまった、、。とても幸せな気持ちになれる作品でした。RJSさんが作り出す倫也さんが大好きで何度も読み返してました笑笑また新しい作品で出会えたらぜひ見に来たいと思います！！ (2022年2月12日 23時) (レス) id: d5f1772468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RJS | 作成日時：2022年1月18日 9時
