恋花火。...3

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東京に戻って3日目の夜



昨日は涼風に電話をしてヨシさんと朝海に謝った

こんな身勝手なわたしにひとつも怒ることなく感謝の気持ちを伝えてくれたヨシさんと、仕事が終わってからすぐにまた連絡をくれた朝海。

朝海には、わたしが決めたことだから倫也さんには何も言わないで欲しいとお願いした。

本当にいいのかと心配そうに聞く朝海に

倫也さんが幸せなんだったらそれでいい。

そう答えた。





こっちに戻ってきてからも習慣づいている体

低血圧で朝起きれなかったわたしが

早起きして窓を開けるようになった

忙しくない日々は

毎日が自由で

だけど

毎日が退屈に感じる




今日だってやっと夜が来た感覚だった

何もする気が起きなくて

だけど何も変わらず過ぎていく日々が不思議だし

わたしが居ても居なくてもどーってことないんだよなぁ

なんて

普段考えないようなことまで考えていた














ブーッ...ブーッ...ブーッ



ベッドサイドのテーブルの上のケータイが震えた。

なんの期待もなくとぼとぼとベッドサイドに近づいて画面に表示された名前を確認した瞬間、

バクッと胸の音が体に響いて一瞬目眩がした。


鳴り続ける着信音に



出ないと...

落ち着いて...

何もなかったように...



震える手でケータイをタップした...







「.....はい。」



『あのっ、Aちゃん、俺。』










倫也さんの声だ...

涙が出そうになるのをグッと堪えて

最初に口に出来る言葉があるとすれば





『「ごめん！』」



同時に聞こえた同じ言葉





きっと優しい倫也さんは

わたしが居なくなったことを知って

心配して電話してきてくれたんだろう

そう思って謝ると

自分が行かなかったからだと

謝ってくれた

そして

言い訳はしない

そう言った



わかってる

優しい倫也さんが放っておけないことくらい

わかってる

俺も会いたかったって言ってくれる優しさ



だから


だからこそ


これ以上困らせたくない...













嘘をついた

たくさん嘘をついた


思ってもいない気持ち

してもいない約束

思い出っていう言葉


全部


全部嘘






そして最後に倫也さんの『またね。』を聞いて電話を切った







電話が切れた瞬間

息が出来ないほどに苦しい胸の痛みと止まらない涙で前が見えなくなった...




こんなわたしは


またね。



なんて、

言えるわけなかった...

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