検索窓
今日:34 hit、昨日:114 hit、合計:1,520,389 hit

sweet*and*sour…087 ページ7

「暑い。」


お風呂上がりのいつもの光景。
冷房の吹き出し口付近のソファが定位置だ。

涼しい顔してるけど運動部だものね。
代謝も良いのだろう。


「あ、さっき球技大会って言ってたよね。」
「そう言えばそうだったね。」
「精々頑張りなよ。」

「蛍こそ日向君に負けないようにね!」
「は?あんなチビに負けないけど?」
「わ、分かんないよ?」


本当は蛍のことも応援したいけど
クラスも違うし戦うときはライバルだ。

男女で別だから私達が試合をするわけじゃないけどさ。


「そういえば蛍がバレーしてるとこ見たことない。」
「確かにそうかもね。」


家で少し練習はしてるけど
コートに立っている彼は見たことがない。


「蛍もスパイクとかするの!?」
「え、まあそりゃあね。」
「うわぁ…!凄い!格好良いね!」


思いきり顔が綻ぶ。

初心者の私からしてみれば
そもそもトスとのタイミングを合わせて
ジャンプするというだけで難しいというのに。

さらにそれを打つとなればどれだけ難しいか…


「べ、別に?そんなことないけど?フツーだし。」
「身長も高くてバレーも上手で蛍は凄いな〜!」
「大袈裟だよ。」


視線が泳いでいた。
正面から褒められ慣れてないんだろうな。


「スパイクは王様のトス次第だから。」


あ、そっか。

コート上の支配権ってセッターが持って…
あ、やばい。今回は私じゃん。


「ど、どうしよう。球技大会緊張してきた。」
「え?早くない?あ、セッターやるんだっけ。」
「そうなの!蛍のお陰で。」
「コートの支配者じゃん。」


彼が打ち合いをしてくれたから
上達することができたけど責任重大だ。

“コートの支配者”…


「し、支配者かあ…」
「責任感じすぎ。普通にやればいいでしょ。」


それができたら苦労しないんだよ…


「失敗連発したりして…」
「は?どんだけ緊張してるわけ?」
「だ、だって私バレー経験無しだよ?」
「一回落ち着きなよ。はい、深呼吸。」


し、深呼吸。大きく吸って吐く…


「まあ応援しててあげるから頑張りなよ。」
「ふふ。自分のクラス応援しなよ。」
「別に女子の勝敗とか興味ないし。」


僕も試合観戦するかもしれないから
その時は戦略教えてあげる、と。


「わあ。スパイみたい。」
「ぷ、何それ。悪くないじゃん。」
「乗り気だ…自分のクラス応援しなきゃ駄目だよ?」
「ちなみに女子の作戦が、」
「わー!わー!聞こえないー!」
「あはは。」


元気も出たし明日の球技大会頑張ろう。

sweet*and*sour…087→←sweet*and*sour…086



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (1567 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2610人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 月島蛍 , 愛羅
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:愛羅 | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年8月29日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。